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『はい、今まで色々ミツバちゃんに買ってもらってばかりでしたから…、記憶も得体もしれない私を総悟と同じように育ててくれた感謝のひとつです。
けどこんなんじゃ足りませんよ。これからたくさん返して行きますので!!』
「……」
『ミツバちゃん?』
「嬉しい、ありがとう、えりちゃん。」

ミツバは嬉しそう微笑んで簪をそっと受け取り、大切そうにそれを見つめていた。

「そうだ、えりちゃん。そーちゃんにそろそろお昼食べたいなぁって伝えてもらえる?ゆっくりお話も聞きたいわ。」
『ミツバちゃんは?』
「もう少し見たいものがあってね。おねがいね、えりちゃん。」
『分かりました』

えりは頷き、店を出ると店の前で携帯をいじっていた総悟に声をかけると、顔を上げて不思議そうにした。

「あれ、えり、姉上は?」
『もうちょっと見たいのがあるんだって。そろそろお昼食べたいってミツバちゃんが。それからゆっくりお話もしたいって』
「分かりやした。」

二人で暫し待っていると、えりが買った簪を着けたミツバが戻ってきて、2人を見つけると、微笑んで軽く簪を揺らした。

動きに合わせて揺れる桃色の飾りはよくミツバの髪とあっていて、総悟は「お似合いです姉上!!」と早速褒めていた。

「ありがとう、そーちゃん。」
『ミツバちゃん、ほんとによく似合ってます』
「…えりちゃん、ちょっと後ろ向いてて。」

不思議に思うまま後ろを向くと、何やら結ばれていて、いいよとミツバに言われてそっと触れると、リボンがつけられていた。

ふわふわとした素材に、何やら結び目のところに飾りが着いており、結ばれている本人からは分からないが、触れた感じだと天然石のようなものだった。

「良く似合うわ。どう?そーちゃん」
「___」
「そーちゃん?」
『?』
「……あんまりにも似合いすぎて、見惚れてました」
「まぁ」
『!?』

驚いて思わず総悟の方を見るも、総悟は嘘偽りなくそう言っているため、えりは思わず照れてしまい、それを見ていたミツバは微笑ましいと言わんばかりににこにことしていた。






「そーですか、ついに姉上も結婚…じゃあ今回は嫁入り先に挨拶もかねて?」
「ええ」
『ご結婚おめでとうございます、ミツバちゃん』
「ありがとう、えりちゃん。けどまだこれからよ。」
『嬉しさが先走ってしまいまして…』
「あらあら、そんなに喜んでもらえるなんて…うれしいわ。
それからね、しばらく江戸に、逗留するからいつでも会えるわよ」

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lua(プロフ) - pixivから来ました!!この作品めっちゃ好き (1月16日 12時) (レス) @page1 id: 7cec922e04 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Tyina | 作成日時:2023年8月21日 2時

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