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少しぼんやりとしている桜色の瞳と合わせるようにしゃがみこみ、ミツバは名前を聞いた。

「お名前は?わかるかしら……?」
『……………………えり……』
「えりちゃんっ言うのね。私は沖田ミツバ。」
『…………』
「…えりちゃん、それって……どうしたのかしら」
『………もってなさいって、だれかにいわれて…………かたときも……はなしたらだめって………』

ぎゅっと女の子はーえりはそれを、刀を大切そうに、強く抱きしめた。

なかなか動かないえりの様子を見ていた総悟はミツバに駆け寄ったかと思うと…

『……?』
「そーちゃん?」

えりの手を引っ張った。

「お姉ちゃん、一旦近藤さんのところ連れいこう。」
『……近藤さん……?』
「そうね。えりちゃん、歩けるかしら?」
『……』

小さく頷くと総悟に引っ張られるような形で立ち上がり、3人でその場を後にした。




「ごめんください。」
「げ、土方……」
「会って早々げ、はねぇだろ」
『……?』
「……そいつは?」
「近藤さんは…」
「おう、いるぞ。ミツバ殿、総悟。
!…そちらの子は……」
『……』

俯き、不安そうにしているえりをみた近藤は只事では無いことを察し取り、普段はあまり使わない道場の個人部屋へミツバ、総悟、そして着いてきた土方と共に入った。

「…お嬢ちゃん、名前は?」
『……えり、です』
「そこの通りに一人でいたの。」
「一人?こんな時期にか?」
「ええ、最初はお花見にきた家族の子供が迷子になっているのかなと思ったんだけど……」
「…お前、それ…」

土方が持ってるものに気が付き手を伸ばそうとした。

が、途端に刀を抱きしめ身を固くしたのを見た総悟が伸ばした土方の手をひっぱたいた。

『…!』
「いってぇ!!!!何しやがんだ総悟!!」
「嫌がってる女の子に手を伸ばした土方が悪い」
「そーちゃん、だからって暴力はダメよ?」
「ごめんなさい、おねえちゃん」
『……』

ぽかんとしたように総悟を見ていたが、近藤がえりに目を合わせるようにして話しかけた。

「少しだけ、その刀を見せてもらってもいいか?」
『……』
「刀を見せてもらうだけでいい。取り上げたりはしない。
とても大切なものなのだろう?」

恐る恐る差し出した刀を近藤は丁寧に受け取り、そっと鞘を抜くとしばらく眺めていたが、鞘にしまい直し、えりに渡した。

「長い間、使われて居ないみたいだな。昔は使われた形跡があったが…けれど錆はない。余程良い手入れをしていたんだな。」

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lua(プロフ) - pixivから来ました!!この作品めっちゃ好き (1月16日 12時) (レス) @page1 id: 7cec922e04 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Tyina | 作成日時:2023年8月21日 2時

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