肆拾 ページ41
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杏寿郎視点
最近、姉上の様子がおかしい
顔色は悪く、咳き込むとすぐにどこかへ行ってしまう
何処か悪いのだろうか
明日、聞いてみよう
______だが、遅かった
姉上は、布団の上で亡くなっていた
眠っているだけかと思ったが、呼吸をしていない
手を握ってみると、ほんのりと暖かい
…今日、亡くなったのか
誕生日…祝って欲しかった…ッ
杏寿郎「ッ…姉、うえ…ッ…!」
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ひとしきり泣いて、落ち着いてきた頃
俺は父上と千寿郎を呼びに行く為に
部屋を出た
_____いや、出ようとした
立った際に姉上の机が目に入った
机の上には三枚、紙が
手に取って見てみると
姉上の字で"杏寿郎へ"と書かれていた
他の二枚も見てみると
一枚は父上、もう一枚は千寿郎宛だった
杏寿郎「これは…遺書?」
そう思い、俺は三枚の紙を持って部屋を出た
.
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杏寿郎「父上、失礼します」
槇寿郎「…何だ」
杏寿郎「……姉上が、亡くなりました」
そう言うと、父上は意外にも「そうか…」と呟いた
杏寿郎「…これ、姉上の遺書です」
そっと、遺書を置いて襖を閉めた
______________________
一人になった部屋で、
槇寿郎は酒を一口飲み、遺書を開いた
______父上へ
これを読んでいる、という事は
私はもう亡くなった後でしょう。
先に逝ってしまってごめんなさい。
先に母上と天国で待ってますね。
父上には、色々と感謝しています。
小さい頃、貴重な休日を使って遊んでくれた事。
私の我儘も、聞いてくれましたよね。
我儘といえば、最近もありましたね。
病気の事、最後まで隠してくれてありがとうございました。
何か、全然死んじゃう気配がなかったので
このまま生きれるのでは?と若干思ってました。
…でも、死んじゃいましたね。
あ、お墓は母上のお墓の隣に建ててくれると嬉しいです。
お酒は飲んでもいいですけど程々に、ですよ。
偶には杏寿郎達の鍛錬にも付き合ってあげて下さいね。
Aより。
槇寿郎「ッ…あぁ、分かってる
酒は飲んでも呑まれるな、鍛錬も付き合ってやるさ…ッ…」
一人、涙を流した
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雪乃華(プロフ) - 雅さん» お読みいただきありがとうございます! (1月31日 21時) (レス) id: 793fca1557 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - 目から汗ガァぁぁーーー。 (1月30日 22時) (レス) @page50 id: 64932f3273 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃華(プロフ) - あまねさん» ありがとうございます!読者の皆様のおかげです。 (1月3日 0時) (レス) id: 793fca1557 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 完結おめでとうございますゥゥゥゥゥゥゥゥゥ (1月2日 17時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃華(プロフ) - さたぽさん» うおぉぉ!お褒めの言葉ありがとうございます…! (2021年1月10日 3時) (レス) id: 82848314f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪乃華 | 作成日時:2020年3月31日 16時