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肆拾壱 ページ42

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杏寿郎視点



杏寿郎「千寿郎、起きているか?」


千寿郎「兄上…どうしたんですか?」





千寿郎に言ってもいいのだろうか…
まだ五歳だが…



…千寿郎宛の遺書があるんだ
話せということだろう



杏寿郎「千寿郎、落ち着いて聞くんだ」


千寿郎「?…はい」





杏寿郎「…姉上が、亡くなった」


千寿郎「…亡く、なった…?」




そう伝えると、意味を理解しようとしているのか
同じ言葉を繰り返す





千寿郎「う、嘘ですよね…驚かせようとしているんでしょう…?」


杏寿郎「…俺も、嘘だと思いたい…だが、これは現実だ」




現状を理解したのか、ポロポロと涙を零す



杏寿郎「…落ち着いたら、これを読んでくれ」






今は、一人にした方がいいだろう
千寿郎に遺書を渡して、部屋を出た





__________________




千寿郎「ッ……そうだ、兄上に貰った手紙」



だんだん落ち着いてきて、
千寿郎は杏寿郎に貰った手紙のことを思い出した




綺麗な字で、"千寿郎へ"と書かれている


千寿郎はまた、じわり、と目尻が熱くなるのを感じた






_______千寿郎へ




ごめんなさい、先に逝ってしまいました。
こんなお姉ちゃんでごめんね。



千寿郎は、鍛錬も、家事も、全て頑張っていました。
誰よりも、とは言えないけれど、
それなりに近くで見てきたので頑張っていたのは知っています。



杏寿郎とは、また違う
しっかりとした努力家です。



まだ五歳なのに、幼いのに
こんな辛い経験を二回も繰り返してごめんね。



お姉ちゃんも、出来れば生きたかったけれど
無理だったみたい。





千寿郎は、心優しい子です。




こんな事があっても、
性格が捻くれたりはしない…と思っています。





貴方のお姉ちゃんで良かったです。



Aより。








千寿郎「ッ…僕もッ…貴方の弟で良かったですッ…!」



収まったはずの涙が、また、溢れた

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雪乃華(プロフ) - 雅さん» お読みいただきありがとうございます! (1月31日 21時) (レス) id: 793fca1557 (このIDを非表示/違反報告)
- 目から汗ガァぁぁーーー。 (1月30日 22時) (レス) @page50 id: 64932f3273 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃華(プロフ) - あまねさん» ありがとうございます!読者の皆様のおかげです。 (1月3日 0時) (レス) id: 793fca1557 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 完結おめでとうございますゥゥゥゥゥゥゥゥゥ (1月2日 17時) (レス) @page50 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
雪乃華(プロフ) - さたぽさん» うおぉぉ!お褒めの言葉ありがとうございます…! (2021年1月10日 3時) (レス) id: 82848314f8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪乃華 | 作成日時:2020年3月31日 16時

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