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××シャンクスside




本気で危機感を感じた時だった。


狼《…やめろ!!》


…そんな地響きするような低い狼の声が響いたのは。


『…!!』


女の子は驚いたのか狼を振り返る。
その途端に身体が何かの重さから開放される。


シャンクス「…ゴホッ…ゴホッ…!!」


狼《…あかり、その男は大丈夫だ。国王様の友人だ》


『…!!!!』


狼のその声に女の子は目を見開いたがこちらに向き直ると声にならないほど歯をかみ締めて血走った目でこちらに走ってきた。


狼《…!!駄目だ…!!!!》


シャンクス「!?!?」


ドサッ


女の子に押し倒され、俺の上に女の子がまたがる。
そして俺の喉にはどこから出したのか短剣の切っ先が突きつけられていた。


『…何故…お父様を…お母様を…殺した人間をッ…!!…私は許さないッッッ…!!!!』


シャンクス「…!!!!」


狼《…止せ…!!!!》


女の子が叫んだ瞬間俺の喉に短剣を振り下ろした。


ガッ!!


女の子が振り下ろした短剣をすんでのところで腕で掴む。


『…!』


ポタポタと血が流れる。
俺の血を見た途端、女の子はハッとしたように震えて顔をゆがめた。
俺は未だ跨ったままの女の子を見たまま言う。


シャンクス「…お前は…人間に、何をされた…!?!?」


『…!!!!』


俺がそういえば女の子は目に涙を貯めて俺の襟元を掴むとこう言った。


『…お前たち人間が…お父様とお母様を殺しただろう…!?!?…お父様とお母様がッ…お前たちに何をした!?皆がッ…お前たちに何をしたッ!?!?』


シャンクス「……!!!!」


女の子の目からぼろぼろと流れた涙が俺の顔を濡らす。…政府が鬼達に何をしたのかは分からないが想像を絶するほどのことをさせられたのだろう。


目の前で涙を流すこの子から俺は目を逸らせなかった。逸らしては行けないと思った。


狼《…俺から話そう。シャンクス》


そう声が聞こえ、振り向けば悲しそうな顔をした狼と目が合った。そういえば、さっきこいつは俺の事を国王の友人だと言った。何故知っているのかと思いじっと見ていれば…


シャンクス「!!!!お前ッ…!狼か!?」


狼《…あぁ》


…思い出した。なぜ気づかなかったんだ。
いつもあの男の傍にいていつもあの男を守っていた真っ白な気高い狼のことを。
真っ白な毛並みは血で汚れ所々を怪我しており以前見た時とは大分違っていた。


そんな狼は語り出した。
数日前、鬼ヶ島で何が起こったのかを…。




××

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えいみ(プロフ) - 続きを書いてもいいでしょうか? (2022年8月20日 21時) (レス) @page1 id: 3c67f62593 (このIDを非表示/違反報告)
moeka(プロフ) - 続きの更新がなくて寂しいです。更新してくれたら嬉しく思います。待ってます。 (2021年12月1日 10時) (レス) id: d61ed9781e (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか? (2021年3月6日 0時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はち. | 作成日時:2021年1月1日 0時

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