7-4、見え始めた真相 ページ10
その後、ショーの打ち上げが行われ、慧はもちろん、有閑倶楽部のメンバーも神鷹の好意で誘われた。
飲め飲めと煽られ、ショーが大成功したということもあって、みんな上機嫌で打ち上げを楽しんでいた。
しかし慧だけは、打ち上げ会場の端の方で1人静かに会場を眺めている。
慧「あぁもう…俺は命がかかってるっていうのに…」
慧は不貞腐れていたが、他のメンバーもただ打ち上げを楽しんでいるわけではない。
会場で変な動きをしている人がいないかチェックしていた。
涼介「あのスタッフ…
それは、会場で慧のネクタイを直すふりをしてイヤリングを外せと忠告した女性スタッフの名前。
イヤリングが盗品だと知っていたため、彼女が犯人、もしくは犯人の仲間だと疑っていた。
貴方「そういえば、此花チーフもいないわ」
メンバーが会場内を見渡してそんな事を話している時、耳元の盗聴器から神鷹の声が聞こえた。
「慧ちゃん今日はご苦労さま。すごくよかったわよぉ!」
見てみると、神鷹が一人で飲んでいた慧に話しかけたのだった。
「こんな隅で飲んでないで、いらっしゃい」と慧の肩を叩く神鷹。しばらく立って話していたが俯く慧の横にすっと座ると、
「話があるの。下のアトリエまで一緒に来てくれない?」
そう、声を潜めて言った。
慧「話…って…」
「わかってるんでしょ…なんの話か」
神鷹のその言葉に、盗聴器で聞いていたメンバー全員が顔を見合わせる。
大貴「あいつが犯人だったのか…」
涼介「うそだろ、神鷹硝が…」
裕翔「俺、そうじゃないかと思ってたんだよ!だって1番犯行やりやすいでしょ?」
宏太「行くぞ、ばれないように後をつけよう」
慧以外のメンバーは、示し合わせると、慧と神鷹の後を追った。
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アトリエに入ると、カチャリと鍵をかけられる。
「やっと2人きりになれたわね…」
いつになく真面目な顔を慧に向けて神鷹は言った。
慧は、殺されるかもしれない、と気が気ではない。
約束では盗聴器で様子を知っているメンバーが助けに来てくれるはずなのだが、まだ現れる気配がない。
なんとか時間を稼ごうと、慧は必死に知らないフリをする。
慧「や、やだな、なんの話ですか…」
「知ってるくせに、いけない子だわね」
スッと伸ばされた手は、慧の首元へ向かう。
「もう逃げられないわよ…!」
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作者名:真波 | 作成日時:2017年10月28日 19時