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「聞いても、いい…?」

『うん』

「…………行っ、た?」

『うん』

「そっか、」

『うん』






「紫耀…」



視線を上に向ければ、
私を見ている紫耀と目が合う







「……………良く、頑張りました」





そう言って、抱きしめられている間から
手を伸ばして紫耀の頭を撫でた

いつもなら、こんな子供扱い嫌がるのに
今日は素直に受け入れて
むしろ、私の身体をぎゅっと強く抱き返してくる









『あんな……
行こうか、ほんまギリギリまで迷っててん。

だけど父さんは死んじゃったから願っても会えないけど
母さんは、会えるから。
数少ない家族のひとりに会っておこうって。


(人1)に言われてハッとした。
俺と(人1)はこんなに近いのに
母さんよりも弟よりも、おばあちゃんですらも
(人1)以上に近い人なんておらんのに
でも俺たちは家族やない。
そう思ったら急に心細くなって会いに行ってた


………行って、良かった。』





「紫耀に、電話の内容を伝えたこと
ずっと後悔してたの。
伝えなかったらこんなに苦しませずに済んだのに、って
でも、その言葉を聞けてよかった
伝えてなかったら、もっと後悔してた」



『素直に“会いに行ってきた”って、
その報告すんのが何か恥ずかしくて
変なプライドに駆られて、避けてごめん。』



「私の方こそ、ごめんなさい」






紫耀の掌に、頬がそっと包み込まれる。

またひとつ
確かに私たちの距離は縮まった。




それが例え、





『(人1)がおらな生きてけへん。
家族やないのに、家族みたいで
寂しいとき、(人1)がおると安心する。



好きやで。』






恋人同士の距離ではなく
家族のような距離だとしても。

寂しさを紛らわすだけの、
ただずっとそばに居る都合の良い存在としての
距離だとしても。







『抱きたい』






どんな関係だとしても
近くて遠いこの距離が、ずっと変わらなくても

私は、貴方を避けることなんてできない
離れることなんて、
出来やしない。

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れい(プロフ) - 何度も読み返すほど大好きな作品です!!更新待ってます、、、!! (2022年5月30日 18時) (レス) id: bbf3e49cee (このIDを非表示/違反報告)
miiika(プロフ) - めちゃめちゃ好きです。。久しぶりに読み返しました。密かに更新まってます。。 (2020年5月31日 21時) (レス) id: bda362bf51 (このIDを非表示/違反報告)
れい(プロフ) - めぐさん» この作品好きすぎて何度も読んでます!!!!ずっと更新されるの待ってます(;;) (2018年12月9日 21時) (レス) id: 91e5585f91 (このIDを非表示/違反報告)
めぐ(プロフ) - 大好きな小説なんですが、もう更新されませんか?( ; ; ) (2018年5月19日 23時) (レス) id: ad1d0b09df (このIDを非表示/違反報告)
にこ(プロフ) - 更新まってます( ;∀;) (2017年10月20日 0時) (レス) id: cc2f6a9c78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:るりか | 作成日時:2016年12月11日 2時

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