君の隣で微笑む人“３”

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『「 お疲れ様でーすっ 」』



ジャージに着替え終わった廉と私は
少し小走りをしながらグラウンドに向かって
部員に挨拶をする


と同時に、
無意識に探してしまう姿







.






………いない、か。



補習引っかかっちゃったのかな、
それとも只のサボりかな



集団行動というものは
例え１人や２人欠けていたって構わず続けていくものだ。


紫耀がいなくたって
勇太くんがいなくたって
部活は普段通りに進んでいく。






.






「 よいしょっ、 」




夏だからか、部員のみんなの水分摂取量が半端じゃない

今日はなずなちゃんが休んでいるから私が１年生全員分の担当で。





カゴにボトルを入れて水道のところまで運んで
洗って水を入れてポカリを作る

この作業を、既に２回



に加えて、
タオルを水に濡らしたり
大きいブロック状の氷を細かく砕いたり


他のマネージャーさんもいるけどそれぞれやることが沢山でとてもお願いなんて出来ない…
なんて思って、１人で何とかしようと意気込んでいた。





.





やることに追われてたら
今が夏の真っ只中ということを忘れてしまっていたようで




３回目のポカリ作りをしようと立ち上がった瞬間
ぐらん、と視界が揺らいだ。







.






.






意識が途切れていく中で覚えていることは、

部員の私を呼ぶ声と




.






どこから来たのかもわからないけれど

大好きで愛おしくて
会いたくて会いたくて堪らなかった




あの人の腕に、抱き抱えられたのだな
ということ。

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