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カグラ)ねぇ!見て見て!!これであってる?
???)うん、合ってるよ!

目の前にはカグラと見知らぬ男性が映像として流れている。
俺は黒いやつに取り込まれどういう状況なのかよく分かっていない。気がつくと映像が流れていた。

カグラ)あたし人間嫌いだけどあんたは好き
???)なんで人間が嫌いなの?
カグラ)だって人間は森を壊す、生き物を殺す……。この森だって人間の被害にあってる。あたしはここで皆と暮らしたいだけなのに
???)……そっか
カグラ)それよりさ、もっと教えてよ!あんたの元いた世界!!これって英語でしょ?それにラップ?とか歌とか面白いね!
???)いいよ、俺に出来ることがあったら教えてあげる

元いた世界?英語?もしかしてこの人……前の、いや、いつかの賢者様なのだろうか。

カグラ)あんた賢者なんでしょ?
???)そうだよ
カグラ)魔法使い達の所へ居なくてもいいの?
???)……ほぼ魔法舎にはやって来ないから。俺1人の時が多いんだ
カグラ)ふぅん。ここは何時でもあんたを歓迎してるよ!精霊達もあんたが来ると嬉しそうなんだ
???)本当?それなら良かった!あ、そろそろ行かないと……また来るね!
カグラ)うん!待ってるから!!

しかしそれから賢者はやって来なかった。
噂を聞くと元の世界へ帰ったとか、殺されたとか、幽閉されてるとか……全く分からない。
でも、1つ確かなのは私は彼の名前を、顔をもう思い出せないという事実。

カグラ)会いたい……会いたい、…あの人に。殺されてないかな、本当に元の世界へ帰れたのかな

木々がざわめく。
まるでこの土地もあの人がどうなったのか分からないという底なしの不安に苛まれているかのように。

カグラ)そうだ、あの人がいつ帰ってきてもいいように沢山歌の練習をしよう。沢山英語の勉強をしよう!魔法使いは延命だからいつか帰ってくるはず!

そう願いを込めて彼女は歌った。
100年、200年……歌い続けるに連れ精霊は彼女に同情し、共にあの人の帰りを待った。そしてカグラの歌は段々負の感情が入り交じり精霊達もそれに呼応するように黒く、荒れ果てた。弱い精霊は彼女の歌に殺され、強い精霊は彼女の為に変わり果てる。
それに気づいても彼女は歌を止めることは出来ない。
彼女は精霊に愛され、そして精霊に嫌われてしまった。
そして彼女はずっとあの人の帰りを待ってるだけなんだ。

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作者名:荒城の月 | 作成日時:2022年2月16日 23時

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