魔法使いの約束(その後)2 (ページ47)

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晶「いや、クロエも強いよ」
クロエ「……北の人達と西の魔法使いでモノクロームを相手したんだけど俺何も出来なかった。それがバレてかモノクロームにも沢山狙われていろんな人に助けられて……。情けないなぁ……」
ラスティカ「そんなことないよ、クロエ。それなら僕の責任さ。もっとクロエに魔法を教えてあげてたら……」
クロエ「ラスティカは悪くないよ！」
ラスティカ「みんな悪くてみんな悪くない」
クロエ「うん……。それで緊急事態のことに関してなんだけど俺は賛成だよ！」
ラスティカ「僕も賛成です、それで危険が減るのであれば」
晶「ありがとう」
ラスティカ「そうだ、賢者様。1日貴女を一人占め出来る権利を今日使ってもよろしいですか？」
晶「うん、いいよ」
ラスティカ「ありがとうございます、では後で中庭に来てください」
晶「わかった」

そうして私達は部屋を出た。
ルチル「これで全員ですね」
晶「うん、他に出来ることを考えてみたんだけど魔法舎の掃除はどう？」
ルチル「いいですね！そうしましょう」
晶「今日から始めたいけど……」
ルチル「今日1日ラスティカさんの日ですものね。私も今日授業があるので明日からしましょう」
晶「うん、それじゃあ行ってくるね」
ルチル「はい！」

ルチルに手を振り私は早足で中庭へと向かった。

晶「お待たせ！」

ラスティカを見つける。
クロエも一緒に居た。
でも、それより気になったのが……

晶「？凄い沢山楽器があるけど、どうしたの？」

そこにはヴァイオリンやピアノ、ギター、カリンバ、ガンクドラム、ハープ、サックス、マリンバ、鉄琴などが置かれてあった。

ラスティカ「昨晩賢者様が歌われていた歌に伴奏を付けたいと思いまして、どの楽器が合うか考えていたらこんなに集まってしまって」
晶「……まさか、私を歌うの？」
ラスティカ「はい、歌って貰いたいです」
晶「無理無理！」
ラスティカ「どうしてです？」
晶「音痴だから……」
ラスティカ「音痴なんてとんでもない賢者様の歌声は引き込まれるものがありました」
晶「でも……」
クロエ「俺も賢者様の歌声聞きたいなぁ！」
晶「……１回だけだよ」

私は息をゆっくり吸い込んで緊張が解れるように歌った。
暫く歌っているとラスティカが静かにピアノを弾き始めた。
この曲のこと全然知らないだろうに綺麗に合わせてくる彼は本当に凄いと思う。