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第七十話 ページ39

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ルゥに跨り街を駆けると、よく知る男が見えた





『作さん、無事か?』







「A?! .......嗚呼、無事だ」








『?その子供は .......』









抱き抱えられていたのは、小さな少女だった






織田の足元には、二人の男女の亡骸
どうやら、この女児の両親らしい









『生き残りか ......』








「嗚呼 ........此奴は俺が避難させる』








織田の言葉に頷き、有川がその場を離れようとすると、何かがキュッと外套の裾を引いた









小さな手が不安気に、それでも確りと握っていて








まるで有川を離さないと云うかの様だった









『 .......ッ ............』








「まま .......ままどこぉ?







おねーしゃん、だっこしてぇ〜?」









うるうるとしたつぶらな瞳が彼女を射抜く







心が何かにぎゅっと掴まれるかの様に痛い

有川はその声を振り払うように頭を撫でた









『パパとママは遠くに行ってる






いいかい?会えるかどうか判らなくても、此の大きなお兄さんに付いていくんだよ?



そうすれば、また暖かい布団で眠れるのだからね



約束出来るかい?』








「ん .......わかった ........」









少女が答えると有川は頷き、ルゥに跨った









「わぁ ........!!」









月明かりの下で彼女は中也を追う為、風のように去っていった








「ねえおにいしゃん .....






あのおねえしゃんはかみさまなの?」









少女の問いに織田は彼女を抱き上げながら答えた









「嗚呼 ........






俺の知る限り、最も孤独な









寂しさを抱えた神様だよ」

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月宮澪華 - 有川さんと紅葉さんのお茶会内容 (9月22日 19時) (レス) @page47 id: dd50640cfb (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - 玉こんにゃくさん» 読んでくださってありがとうございます!!文才私も欲しいです!分けてください!(笑)これからもよろしくお願いします! (2020年11月9日 0時) (レス) id: b3ca34c5e8 (このIDを非表示/違反報告)
玉こんにゃく(プロフ) - 待って、カッコいい…!有川さんん゛大好きです!文才分けてください私に! (2020年11月9日 0時) (レス) id: d74a9424e1 (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - 柊さん» え、貧血?!大丈夫ですか ...?お大事になさってくださいね ...いつもコメントありがとうございます!これからもよろしくお願いします(^^)『いつもありがとう。柊さんも体調に気をつけて、またお互い頑張ろうな』 (2019年5月21日 12時) (レス) id: 27ee46e64f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ううう有川さんがかっこよすぎて惚れても惚れきれないいいい!!更新ありがとうございます!待ってました!!体調には気をつけてくださいね。私は最近貧血になりました← (2019年5月21日 0時) (レス) id: 9ff44349a6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ルーク | 作成日時:2018年7月17日 18時

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