太宰治の指導教官 弐【文豪ストレイドックス】【太宰治】

第六十七話 ページ36

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誰も、下りようとはしなかった






何故かは上手く説明できなかったが









唯一









此の女の云うことなら、正しいに決まっている









絶対的な信頼だけ確かにあった









『 ........作戦を説明する』









凛とした声が響いた









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太宰side








『治 ......すまないな ...』









「何？人質役のこと？




そんなの全然気にしていないよ




私にとってはAさんが絶対なのだから





それに、私だってきっと此の道を選んだからね」









そう云って彼女に笑いかけると




また美しく笑った









儚さが、一層色濃くなっていたけれど









『 ........治、おいで？』





「え ........？」









彼女は優しい笑顔で腕を広げていた







出会った、あの頃の様に









迷うことなんてなかった









唯、抱きついた









強く、つよく









『大きくなったな ......




もうすぐ背も抜かれてしまう』









如何してそんなに儚げなの？









如何してそんなに苦しそうなの？









ねえ、Aさん ......









「どこかに行ったり、しないよね？」









『 ........』









「私の前から、消えないでくれ .......





ずっとそばに居たいのだよ ........！」









貴女が、大好きだから









心から、愛しているから









ねぇ ........









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“置いていかないで”









『 ........心配するな









また、、、会える』









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貴女は私にそう云った









作戦開始の、合図と共に

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