第六話 ページ8
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暗い部屋の中に靴音が響く
外から染み込んだ雨水が滴り、ジメジメとした空気が其処ら中に溢れていた
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『・・・・此れが例の奴か?』
檻の前、多くの部下が居るなか、凛とした有川の声が響く
グルルル・・・・・・
狼の様な卯なり声が響き、鎖を引きずるような音がした
「はい、例の港荒らしです。被害は前回の報告の倍以上、
マフィアと其の傘下組織にも絶大な被害が____」
『其れはもう聞いている。』
冷たい声が空気を裂いた
部下は全員身を強張らせている
動けば______
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命の保証が無いからだ
『!否、済まない・・・・御前達が悪い訳ではないのにな・・・・』
「い、いえ・・・・お気になさらず・・・・」
滅多に謝罪を受けない彼らにとって、有川は少し、特殊な人間なのである
「有川殿、此の獣、一体何なのでしょう」
そう声をかけたのは此の組織でも古株の老人、広津だ
『・・・・此れは・・・・
広津さん。済まないが、私と貴殿以外の部下を外に出してもらえるか?』
「?其れは・・・構いませんが・・・・一体中で何を・・・・」
『少々、荒っぽくなるからな。』
ガンッ・・・・・・!!
何かを悟ったのか、中の獣は体を檻へ打ち付け始めた
黒服たちも警戒体制に入る
「急げ!仕事に入れんだろう!」
広津の声で漸く我に返った男達は、一斉に外に出る
『悪いな、広津さん。』
「いえ、貴女は我等の上司。遠慮など要りませんよ?」
『だが私は年下だ。年長者に気を使うのは当然。此れだけは譲れんのさ。』
彼女はそう微笑んで目の前の獣に向き直った
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月17日 17時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます。此方で設定していた夢主の名前を誤って掲載していました。修正致しましたのでご確認ください。ご指摘感謝いたします。また何かあればコメント等お願いします! (2021年4月2日 0時) (レス) id: b3ca34c5e8 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 28ページ 涙さんが とは誰の事でしょうか?? (2021年3月31日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - ぴのさん» 有川『ぴのさん、お褒め頂き光栄だ。貴方は治のことをよく判ってらっしゃるのだな ....今後作者も学んでくれることだろう。ご指摘、感謝している。これからもこの物語を見守ってくれ』 (2019年4月14日 23時) (レス) id: c44f57a01a (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます!そうですよね、私も判ってるんですが何分映画特典が出る前に書いた話だったので多分推測で私っていう一人称になってるんだと思います....(あくまで私の妄想の塊ですので ...)ご指摘感謝です!今後の参考にさせていただきます。 (2019年4月14日 23時) (レス) id: c44f57a01a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーク | 作成日時:2018年3月12日 23時