太宰治の指導教官【文豪ストレイドッグス】【太宰治】

第三十八話 ページ42

(少し気持ち悪い表現があります、すみません)






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太宰達が目覚めた頃、有川は紅葉と共に太宰達の足取りを追っていた









「然し、彼奴らは一体何処へ連れ去られたのか ........



仮にも此処はマフィアの管轄下じゃ









生半可な覚悟では侵入すら出来んぞ ........？」









ポートマフィアは街の暗部其の物









大きな組織である分、狙われるのも確かだ









その為の警備は万全









武器庫の暗証番号、書庫などに至るまで厳重な
セキュリティが施してある






侵入は容易ではないし、其所其処らの人間が入るのは天と地が引っ繰り返っても有り得ない









ニャア ........









「ッ！ ........何じゃ、グレースか ........」









現れた金眼の猫は、主人の元にゆっくりと歩み寄る









首元の鈴を揺らして ........









『 ........有難うグレース





お前のお陰で思ったより早く見つかりそうだ』









有川がそう微笑むと嬉しそうに足に擦り寄る









そして ........









カチャリ









何か機械の様な物音がした









床に落ちた“それ”を有川は拾い上げる









紅葉は不思議そうに見つめていたが


有川の手にあるそれを見た瞬間ギョッとした









_______それは、“眼球”だった_______









『驚かせてしまったな ........此れは義眼だよ








此の子を拾った時眼を抉られてしまっていてね ........不便だろうから私が付けたんだよ









今は小型写真機になってるんだ』









そう、目の前の猫でさえ、苦しみを味わっているのである









『何も、人間だけが痛みや辛さを抱えているわけではないんだよ ........






此奴等だって皆んな同じだ ........』









自分にも云い聞かせている様だった









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