第二十四話 ページ26
〜有川side〜
休憩に入ると福沢殿は少年を連れて足早に外に出た
私はすれ違い際に気配を殺し、少年の外套のポケットに小型盗聴機を入れ
耳に他人からは判らない超小型のインカム(←勿論自作だ)を装着し、二人の会話を盗聴する
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少年の名前は『江戸川乱歩』
父と母は既に他界、
黒社会、警察等の界隈では名の知れた刑事の息子だった
推理力に長けた、"生ける伝説"と呼ばれた男______
乱歩はそんな父母の才能を色濃く受け継いだ
両親という鳥籠の中で育った乱歩は
世界の《愚かさ》を知らない
《醜さ》を知らない
.
.
《脆さ》を知らない_______
彼は唯、頭が佳いだけの
悲しみの淵でもがき苦しんでいる子供
"受け入れてもらえない"
当然だ、受け入れてやれるだけの知識が一般人には無いのだから
"僕は独りだ"
何が悪い、其れが世界だ
人間なんて、誰もが完全に理解し合える訳じゃない
私達は常に一人だ
だからこそ生きる理由を求める
『そろそろ、潮時か・・・』
矢張り、此の場に留まっておくのは危険だ
残念だが、もう出なければな
『治、此処はもう危ない。帰らないか?』
私の問い掛けに、治はコクりと頷いた
彼の手を引き、会場の外へ出る
入り口で、独りの男性と擦れ違った
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‛
『お気をつけください。
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___________師匠。』
そう声を掛けるとニヤリと笑い、会場へと入っていった
『・・・・嗚呼、思い出した。治、ちょっと此処で待ってて呉れ。
・・・・・・・野暮用ができた。』
私を見上げる小さな少年は、名残惜しそうに手を離す
その頭を優しく撫で、
銀狼の足取りを辿った
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月17日 17時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます。此方で設定していた夢主の名前を誤って掲載していました。修正致しましたのでご確認ください。ご指摘感謝いたします。また何かあればコメント等お願いします! (2021年4月2日 0時) (レス) id: b3ca34c5e8 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 28ページ 涙さんが とは誰の事でしょうか?? (2021年3月31日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - ぴのさん» 有川『ぴのさん、お褒め頂き光栄だ。貴方は治のことをよく判ってらっしゃるのだな ....今後作者も学んでくれることだろう。ご指摘、感謝している。これからもこの物語を見守ってくれ』 (2019年4月14日 23時) (レス) id: c44f57a01a (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます!そうですよね、私も判ってるんですが何分映画特典が出る前に書いた話だったので多分推測で私っていう一人称になってるんだと思います....(あくまで私の妄想の塊ですので ...)ご指摘感謝です!今後の参考にさせていただきます。 (2019年4月14日 23時) (レス) id: c44f57a01a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーク | 作成日時:2018年3月12日 23時