第十三話 ページ15
其れからまた、何日か過ぎた満月の夜
有川は独り、重厚な扉の前に立っていた
見張りの黒服二人に合図を送ると
深々と頭を下げ、去っていった
三回ほどノックをし、扉を開ける
ゆっくりと進んでいった先に、一人の老人が座っていた
‛
‛
『・・・・首領、御加減は如何ですか?』
「有川か・・・・
・・・・例の組織は?何時潰せる?」
そう問い掛ける老人の目には、生気が感じられなかった
殺気を纏い、殺しに取り憑かれている者の目_____
此れが、現首領の姿だった____
‛
『・・・・焦らずとも、時は来ます。
今は・・・・お眠りになっては如何ですか?』
「・・・・そうしよう。
だが、あの組織は早急に片付けてくれ。
只殺せ。
殺せ・・・・・」
只呟き続ける老人を部下が寝台へ運び
漸く眠りにつく彼の姿を見ると、半ば呆れ気味に彼女は呟いた
『ったく、あの爺・・・・・・・相当頭がイかれてる。』
今回彼が殲滅を命じている組織は、比較的大人しく、潰す必要など無いところだ
彼には知られない様、有川は密かに、逃がす準備を進めていた
「有川殿。少し、休まれた方が良いのでは?」
部屋の外に出ると、広津が心配気な表情を浮かべて立っていた
「貴方は未だ若い。過労は身体を痛め付けるだけです。」
『広津さん・・・・うっ・・・・・!』
彼女の身体がよろけ、広津に凭れ掛かる
「有川殿!」
『大・・・丈夫だ・・・・・
ねぇ、広津さん・・・・・
あの老いぼれは・・・・何時死ぬのかな・・・・』
「・・・・・・・!」
『彼奴が・・・・居なければ・・・
部下も・・・治も・・・・もっと・・・・・・・!』
其処で、彼女の意識は闇へと堕ちていった
「広津さん、私が預かろう。」
そこに現れたのは、白衣を纏って微笑む男の姿
「森殿・・・・!」
彼は有川の前で屈むと、ゆっくりと横抱きにし、立ち上がった
「矢張り君は・・・・優しすぎる・・・・」
そう笑う森の表情は宛ら、娘を見る父の様だった
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誰か、文才をください
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月17日 17時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - 麗さん» コメントありがとうございます。此方で設定していた夢主の名前を誤って掲載していました。修正致しましたのでご確認ください。ご指摘感謝いたします。また何かあればコメント等お願いします! (2021年4月2日 0時) (レス) id: b3ca34c5e8 (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 28ページ 涙さんが とは誰の事でしょうか?? (2021年3月31日 0時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - ぴのさん» 有川『ぴのさん、お褒め頂き光栄だ。貴方は治のことをよく判ってらっしゃるのだな ....今後作者も学んでくれることだろう。ご指摘、感謝している。これからもこの物語を見守ってくれ』 (2019年4月14日 23時) (レス) id: c44f57a01a (このIDを非表示/違反報告)
ルーク(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます!そうですよね、私も判ってるんですが何分映画特典が出る前に書いた話だったので多分推測で私っていう一人称になってるんだと思います....(あくまで私の妄想の塊ですので ...)ご指摘感謝です!今後の参考にさせていただきます。 (2019年4月14日 23時) (レス) id: c44f57a01a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルーク | 作成日時:2018年3月12日 23時