86話 ページ38
それから休憩をもう一度挟み、ようやくたどり着いた頃には既に日が沈みかけていた。だが、休んでいる暇などなく、すぐに小屋の前に火を炊いた。
簡単な道具を使い消化しやすい食べ物を作ると三人に食べさせ、三人が眠るまでは勉強を教えた。
三人が眠るとAは、一人小屋からでて任務を遂行しに夜の森へ消えていく。数時間経ち戻ってきたかと思うと三人の無事を確認しまた消えていく。
次に訪れたのはヴァリアー城のテラスだった。そこには一人の赤ん坊が待っており、Aは横に並ぶと口を開いた。
｢お待たせ｣
｢僕を待たせるなんて罰金だよ｣
｢ふふっ、勘弁してちょうだい。……それじゃあ本題よ｣
｢あぁ｣
｢先日、鉄の帽子の男に会ったわ｣
｢？！…どういうことなんだ？Aはそいつの居場所を知ってるのか？！｣
鉄の帽子の男の話になった途端普段とは比べ物にならないほど声を荒げた赤ん坊こと、マーモンは酷く動揺していた。
｢わからないわ。私も知りたいんだけどね｣
そういい、左手につけていた手袋を外した。そこにはあの時から薄れる事のないおしゃぶりの痣が浮かび上がっている。
｢そ、れは……おしゃぶり……？｣
｢ねぇ、マーモン。その鎖、少し外して見てくれないかしら｣
動揺しながらもそう言うAの言葉通りに首にかけているおしゃぶりを封じ込めていた鎖を取ったマーモン。その瞬間、藍色のおしゃぶりと左手の痣が共鳴するかのように光を発した。
｢つまり、そういう事よ｣
｢嘘だ……。なんで今更Aがアルコバレーノに……｣
｢それは私にもわからないし、考えても仕方の無いことだと思うの。どうせあの男にしかわからないんだから。それで、あなたへの依頼だけど…｣
｢……そうだね。それで、なんだい？僕に依頼なんて高くつくけど｣
｢他のアルコバレーノを集めて欲しいの。アルコバレーノ同士何らかの収集方法はあるんでしょう？｣
｢そうだね、あるよ。ただ、集めてもいいけど報酬とは別に一つ条件がある｣
｢何かしら｣
｢僕は不参加にする。それだけさ｣
｢わかったわ。それで成立よ。報酬はあとから振り込んでおくから金額を提示してちょうだい｣
｢それじゃあ、これで決まりだ。指定日は三日後の朝方にフランスの秘境ジュラにあるおしゃぶりの泉。はい、地図｣
｢ありがとう。それじゃあ、また｣
そう言い残し消えたAの後姿を見るマーモンの瞳には複雑な色が浮かんでいた。
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Rum0328(プロフ) - わかりました！ありがとうございます！ (2020年12月2日 11時) (
レス) id: e4bfb8c884 (このIDを非表示/違反報告)
NEW.Y(プロフ) - Rum0328さん» コメントありがとうございます。すみません、ただいまリメイク中でしてPart�掘�Part�困泙波鷂�開にしています。公開されるまで待っていただけると嬉しいです。 (2020年12月2日 9時) (レス) id: e10b3bfd33 (このIDを非表示/違反報告)
Rum0328(プロフ) - Part IIIにパスワードがかかっていて見れないです。どうすれば見えるのですか？ (2020年11月30日 23時) (レス) id: e4bfb8c884 (このIDを非表示/違反報告)
Ｙ(プロフ) - 今井蛍 (月洲螢)さん» ご指摘ありがとうございます。これからなおしていこうと思います！ (2017年10月22日 23時) (レス) id: c00b022e20 (このIDを非表示/違反報告)
今井蛍 (月洲螢)(プロフ) - きずいている、ではなく気づいている、ですよ。数ページに渡って間違えられています (2017年10月22日 23時) (レス) id: 2be0526190 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Y | 作成日時：2017年3月20日 23時
