二話 悲しき過去 ページ4
「Aちゃんいらっしゃい。今日は何をお求めかな?」
私、Aは和菓子屋に来ていた。
「えっと、どら焼と・・・・。」
「A!みたらし団子買ったらどうだ?」
「えー・・・。なんで?」
「たまには家族に買ってあげてあげたら?」
「嫌だよ、兄様になんて」
私には義理の兄がいる。元々私は神山家と呼ばれる神社の家の娘だった。昔から幽霊が見えてしまっていて、とても怖い人生を送っていた。学校では友達がつくれない、勉強がわからないと散々だった。だが、私の家族はそんな散々な人生を変えてしまうような存在だった。特に私の妹要とおばあちゃんは私の幽霊が見えるという話を真剣に聞いてくれた。要は
「お姉ちゃん、大丈夫!お姉ちゃんに意地悪する幽霊は私がやっつけるから!」
と張り切っていた。おばあちゃんは
「A。そう怖がるな。優しい幽霊だっているから。」
と言ってくれた。それが私の支えだった。
だが、ある日それが何の前触れもなく消えてしまった。
私の家は火事になった。出火原因は不明。その日はちょうど、高学年が遅く帰る日だった。
「え」
私が家に着いた時には、消防車と救急車とパトカーで溢れていた。
「君。この家の子かな?」
消防士さんが話しかけてきた。
「は、はい。あの・・・・・・・・・要は?お母さんお父さんは?おばあちゃんは?」
「・・・・・・・・。」
消防士さんは黙った。
「聞いてくれ。君の家族は・・・・・・。」
死んだんだ。
え?
死んだ?あんなに皆元気だったのに?
「あ、あ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
神山Aの人生は変わりだす。
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作者名:ひーちゃんz | 作者ホームページ:http://kamuitotakasugisaiko
作成日時:2021年3月4日 21時