検索窓
今日:2,149 hit、昨日:4,476 hit、合計:523,516 hit

67.密室にいるコナン コナンside ページ18

『私はねぇ…人の命を救う為に医者になったの。相手がどんなにクソで最低最悪な人間でも、守るべき命には変わりないの。その目的の為に今まで努力してきたのに、そんな最低最悪な人間の為に医師生命を断つような殺人なんて愚かな真似する訳ないでしょう?』

高梨さんに近寄りながらA姉さんがそう言えば、彼は口を噤む。
けれどA姉さんは止まらない。

『それに私が怒鳴ったのは石栗さんの言動に頭にきたから。何ならその後で貴方も彼に怒ってなかったかしら?自分のことを棚に上げて今日初めて会ったばかりの私を容疑者にするのは理不尽というものでは?』

その後、何も言えなくなった高梨さんに背を向けて俺たちに笑顔で問いかける。

『私、何か間違った事言ってます?』

「「「い、いえ…言ってません。」」」

相変わらず怖ぇ…。
A姉さんの口癖だった「どんな人間でも命は平等」という言葉。人の命を救うために医者を志し、血の滲むような努力をしてきた彼女は、自分が人の命を奪ったと言われるのが地雷のようなものだった。

いつか父さんから聞いた話。
過去に一度事件の容疑者にされそうになった時、泣きながら先程のように訴えた事があると。
まだ刑事だった時のおっちゃんもいたそうだから、A姉さんのその思いは知っているだろう。

チラリとバーボンを見てみれば、事件前とは比べものにならないA姉さんの怒りように驚いていた。

まぁ普段は割と温厚で優しいA姉さんがここまで怒るのも珍しいから、バーボンと言えど流石に驚くわな…。

「と、とりあえず1階で順番に話を聞くので行きましょう。」

空気を察した横溝警部に連れられて、俺たちは桃園さん、梅島さん、高梨さんの順で話を聞く事になった。




「ええ、石栗くんの部屋には行きました。本当に昼食の冷やし中華を食べないのか聞きに。でも昨夜のアイスケーキがあるからいいって言ってました。」

『なるほど。その後は何を?』

って、A姉さんめちゃくちゃ事件解決する気満々じゃねぇか。

おっちゃんの隣に堂々と立って一緒に話を聞いているA姉さんの姿に、さっき容疑者にされそうになったことを根に持っているな…と察しがついた。

おっちゃんも苦笑いしてるあたり止める気は無いのだろう。止めたところで笑顔の圧かけられるし。

まぁA姉さんが本気になれば事件も早く解決すると思うから俺としては別にいいんだけど。

68.謎解きするバーボン→←66.密室にいるコナン



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (209 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
585人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

YuasA(プロフ) - みんさん» コメントありがとうございます!次回も楽しんで貰えるよう頑張ります! (2022年1月19日 0時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
みん - 最高過ぎます!毎回楽しみです!!ありがとうございます!ありがとうございます!!! (2022年1月18日 23時) (レス) @page50 id: 0b35b5e05a (このIDを非表示/違反報告)
YuasA(プロフ) - あかねさん» ありがとうございます!もっとニヤニヤできる作品に出来るよう頑張ります! (2022年1月18日 22時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 最高です!ニヤニヤが止まりません… (2022年1月18日 20時) (レス) @page49 id: bf2afdf343 (このIDを非表示/違反報告)
YuasA(プロフ) - ぱるむさん» ありがとうございます!次からも面白い作品になるよう頑張ります! (2022年1月8日 16時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:YuasA | 作成日時:2022年1月6日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。