30.差し入れ ページ31
あれから更に数日後、昼までの激務を終えて、明日は待ちに待った連休。
私はルンルン気分で帰路に着いていた。
『佐伯先生もいいセンスしてるなぁ〜!』
私が抱える紙袋の中には、佐伯先生の新婚旅行のお土産のビールたち。
定番のヴァイツェン、喉越しが最高のシュバルツ、さらに甘みの強いボック…ドイツにいた2年間で完全なる無類のビール好きになってしまった私からしたら最高のお土産だ。
『せっかくだし小五郎さんと飲むのもいいかなぁ。』
小五郎さんもビール好きだし、飲ませ過ぎなければ蘭ちゃんも大目に見てくれるだろう。
スキップしていく勢いで探偵事務所に向かえば、事務所には明かりがついており、小五郎さんが在宅だというのが分かった。
コンコンッ
「はーい!」
蘭ちゃんの声が聞こえてドアが開けられる。
するとそこには意外な人物もいて思わず動きが止まる。
『あれ…?安室さん?』
「おや工藤さん、お仕事終わりですか?」
『え、えぇまぁ…えっと、安室さんはどうしてここに…?』
エプロンをしているということは、彼は今日ポアロでバイト中なのでは…?
というか、小五郎さんヨーコちゃんのライブガチ勢してるし…
「毛利先生のためにお昼のサンドイッチを届けに来たんですよ!」
そう言って見せられたのはめちゃくちゃ美味しそうなサンドイッチたち。
早朝から激務に追われていた私からしたらご馳走様そのもの。
『お、美味しそう…!!』
「あれ?Aさん、その袋何ですか?」
小五郎さんを呆れた目で見ていた蘭ちゃんが私の抱える紙袋を指し示す。
『あ、いや〜えっと…その、先輩医師にお土産でビールもらったから、小五郎さんにもお裾分けしようかと…。』
「……Aさん、お父さんの肝臓ダメにする気ですか?」
ジト目の蘭ちゃんと新一くん。
その視線に私はタジタジになる。
『だ、だって一緒にビール飲める知り合いって小五郎さんくらいしかいないんだもんっ!!それにほら、私ザルだから一緒に飲んでも小五郎さんが飲み過ぎないようにコントロールできるって!!』
「…まぁAさんのことは信頼してるので別にいいですけど。」
『ありがと蘭ちゃん!』
蘭ちゃんの許可も得られたからよかった。
まぁ赤井さんとかもお酒飲めるとは思うけど、私自身ビールを飲む時はおしゃべりしながら飲みたい派なので、彼と飲む時は洋酒とかの時にしようと決めていた。
あれ、私ってお酒飲める知り合い2人しかいない…?
「(この女も自由だな…)」
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YuasA(プロフ) - †NANA†さん» ご指摘ありがとうございます。先程訂正いたしました! (2022年1月7日 16時) (レス) id: 5892518060 (このIDを非表示/違反報告)
†NANA†(プロフ) - ページ24で、「電話したもんだな」が「電話わしたもんだな」になっています。 (2022年1月7日 15時) (レス) @page24 id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:YuasA | 作成日時:2022年1月1日 23時