廊下で面倒 ページ2
食堂の扉を音をたてながら閉めると時間は午後１２時前。すると時計をチェックしてたアニの後ろから手が伸ばされ肩をポンと叩かれた。反射的に格闘術の姿勢を見せると声がした。
｢ちょっと〜アニ！私だよ〜｣
…正体はヒッチ・ドリスだった。アニは格闘術の姿勢を止めヒッチに姿勢を向ける。ヒッチをよくよく見ればキーワード１／お洒落／をしていた。それも／ワンピース／と／リボン／の組み合わせだ。どうやらキーワード２とセットらしい。
｢…何？｣
｢今から隣町まで行くんだけどさ、アニ、一緒に行かない？男の子と踊るんだ〜｣
…キーワード３／男子／どうやらこちらも当てはまったようだ。アニにとってはとても普通じゃなかった。男子と踊るとは相当暇らしい。
｢ねぇ〜聞いてる〜？｣
｢聞いてるけど………生憎そういうのは趣味じゃないんだ｣
｢えー？勿体なーい、兵服も着ちゃってさ。“あいつ”に影響されちゃったの〜？｣
あいつ？…マルロか、ヒッチはどのまで食いついてくるんだと思った。さすがに溜め息がでる。｢別にそんなんじゃないけど……外に見回りに行くだけだよ｣と切り札を使う。
｢そう？釣れないなぁー｣
｢はぁ、………それより、時間大丈夫なの｣
｢え？！もうこんな時間、じゃあねー、アニ！あ、それと私の書類片付けといて！先輩に押し付けられちゃってさ〜｣と後ろを振り向き他の女子達のいるところに走ってった。それで二、三度目の溜め息がでる。
それより、ヒッチの書類を片付けなきゃいけない。アニはせっかくの切り札を｢外に見回り｣から｢書類の片付け｣に変更された。やれやれと溜め息がでる。今日で何度目だろうか。廊下のど真ん中をアニは歩く。
ここの廊下は食堂と違って随分洒落ている。訓練兵団の廊下はただの木だ。しかもきしむ音もする。場所移動もわざわざ外に行けないといけないから面倒だ、アニはそんなに昔ではないのに懐かしく感じた。………アニは対人格闘を“あいつ”とやれなくなるのを少し寂しく感じた。
｢…さて、書類の山を消化しないとね｣アニは独りの廊下で呟く。すると後ろからドアが開く音がした。ふと後ろを振り替えれば“マルロ・フロイデンベルク”が居た。また面倒になりそうだとアニは思った。
｢アニか？今日は休日だぞ？何で兵服きてるんだ｣
｢あんたこそ、こっちはヒッチに仕事押し付けられてね｣と、切り札を使う。
｢そうか、災難だな、手伝うか？｣
｢別にいいよ、……それよりさこれ｣
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作者名：青い犬丸 | 作成日時：2018年5月7日 14時
