三十六話 二度目の ページ38
『どうしよっか。
川に投げ飛ばす？それとも火で炙る？』
「Aちゃん？！
鏡花ちゃんはそういう事を云ってるんじゃ無いと思うんだけど、、」
はああぁぁぁ………
まじで。許さん。
『………探すか。』
「うん。」
「そうだね。」
『さーて。
太宰さーん？火で炙られたく無かったら出てきてくださーい』
「怖いって！！」
───────
───
─
──敦side ──
太宰さんが居なくなってかなりお怒りモードのAちゃんを宥めた後で、
僕たちはまた、所謂 太宰さん探しを再開した。
最近のAちゃんは、会った頃に比べて大分感情的になってきた気がする。
以前よりも少しは表情豊かになってきたと思う。
そんなAちゃんを見れて、僕は素直に嬉しいと思った。
『全然見つからないんだけど。本当何処行ったの？』
まだ5分程しか経っていないけれど、
確かにそろそろ見つかって欲しい。
「手分けして探すとか、どうかな？」
『その方がいいかもね。
じゃあ、私は右に行くから、敦くんと鏡花ちゃんは左探してくれる？』
「分かった。」
「うん、気をつけてね！」
───────
───
─
──Aside──
全く。太宰さんって何でこうも自由なんだろうか。
そろそろ出てきて貰わないと、困るんだけどなあ
「すみません、」
『ん？あ、えっと、何でしょうか。』
知らない人に話しかけられた。
怪しくはないけど、どこか人を近づけない雰囲気がある。
「道に迷ってしまって、此処へいくにはどうしたら良いのでしょう」
そういって、手に持つ地図を指す。
『あー、そこはですね、あそこの道を右に………わっ？！』
その時、突然視界が真っ黒になった。
『えっ？！何、あの、むぐっ？！』
今私は、目隠しをされて口も塞がれたのだ。
そして右も左も分からず、何かに乗せられた、その時。
「Aちゃん！？」
私の名前を呼ぶ敦くんの声が聞こえた。
そして私は、意識を手放した。
目を覚ました時、まだ視界は暗かった。
「起きたか。」
この状況、既視感。人生二度目の誘拐。
『此処は何処です？』
「流石 探偵社。この程度では取り乱しませんか」
『質問に答えて下さい』
「此処はポートマフィアです」
……は？
えっ、今、何て？
これは、もしかしなくても、
ポートマフィアに誘拐された(なぜ)？？？
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作者名：まくら枕 | 作成日時：2021年7月11日 17時
