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十六話 意味 ページ18

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「私と一緒に心中してくれないか。:*☆」


凄く輝いてる太宰さんだった。


『あれ、太宰さんだよね。あの人何してんの?』


「はぁ…………太宰さん!」

「おや、敦君にAちゃんじゃないか。どうしたん
 だい?」

「どうしたんだい?って……国木田さんに探しに行けと言われたんですよ!」

「ええ〜国木田クンが〜?





 やだ。」


なにそれかわいい。

というか、さっきの女性がそっと離れて逃げて行ったけど気付いてないのかな。


『太宰さん、何をなさっていたんですか?』

「何って、美女を心中に誘っていたのだよ」


いや、そんな、当たり前でしょ?みたいな顔で言わないで下さいよ。


心中?自 殺じゃないの?…いや、心中も自 殺の内か。って、そうじゃなくて!


『太宰さん、どうして心中とか自 殺とかなさるんですか?』

「確かに、僕も理由は知らないかも。」


すると、少しの間ののち、太宰さんから表情が抜けた。



「君は、生きるという行為に、何か価値があると本当に思うかい?」


「!…………それは、あるんじゃないですか」




『無いと思います』

「「!」」


流石にこの返答には、二人とも固まってしまった。


『価値なんて、無いですよ。価値も意味も、人生には存在しないと思います』


「では、君は何故生きる?」


『生を受けたからですよ。

 私は別に、生まれたいと思って生まれた訳じゃ無い。

 でも生まれたなら、少しでも有意義に、楽しく過ごしてみようかな。と、そう思ってるだけです。』


「その楽しみはどうやって見つけるんだい」


太宰さんは頭が良いから、楽しみを見つけるのが他の人より難しいのだろうか。


『そうですね…………
 人と話すのは、とても楽しいですよ!』


私は、今までで一番の笑顔でそう言った。
久しぶりだから表情筋が少し辛かったが。。


『先程、人生には意味が無いと言いましたが、

 退屈で何もない真っ白な人生を、どれだけ楽しくて充実したものに出来るかが大切で、その方が断然楽しいと思います!』


『退屈を感じない人は、楽しみを見つけるのが上手なだけで、その人の人生も、実は真っ白なんです』



『まあ、これはただの私の考えで、本当は全然違うのかもしれませんけど。』


あれ、二人とも、話さなくなっちゃった


『あっ、よく分からない事ばっかり言ってすみません』



「いや、ありがとう。そうかも知れないね」





太宰さんが、ふっと笑ってくれた。

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設定タグ:文スト , 文豪ストレイドッグス , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:まくら枕 | 作成日時:2021年7月11日 17時

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