十三話 行きつけの店 ページ15
其の喫茶所は────
我が探偵社の一階にあって、休憩中の探偵社員が、
よく屯しています。
──Aside──
「皆さん!新しいお仕事です!どなたか希望者は…」
「「ハー」」
「反動ですかねー」
「反動だな」
「反動だねェ」
『ノリ反動。』
「反動、?
というか、Aちゃん、ノリ反動って何笑」
「燃え尽き症候群だよ
ギルド戦は、創立以来の大激戦だったからねえ。モビーディックの横浜への落下を防ぐことができて本当ぉに良かったぁ…
しかもぉ?」
「?」
「お陰で君は有名人だ」
「僕は別にそんなつもりで…」
「まぁいい。名前なんて売れても煩わしい事が増えるだけだ」
「、、あれ、国木田さんは?」
「国木田君は、上。
なんか逆にやる気出てる。
珈琲おかわりー」
「はーい」
「僕カレー。甘いやつね」
「はいはい」
「なんか元気の出るやつ」
「二日酔いですか?」
『美味しいのお願いします』
「分かりましたぁ」
「いつもご迷惑をお掛けします」
「いえいえ!
迷惑なのは、太宰さんがツケを溜めてる事くらいですから!
死ぬ前に、生命保険だけには入っておいて下さいね!」
「ん"ーその生命力、君は最高に素敵な女性だねぇ」
「キャハーッ」
「それと、軍警から報告がありました。ギルド壊滅後、その遺産を狙った海外の犯罪組織が流入しているようです。」
「どうせ退屈な連中だろう?」
「ですが、僕も昨日、この近くでギルドの残党を見かけたんです。逃げられてしまいましたが、彼女は何か、金属の箱を持ってました。
真逆 探偵社への復讐の為に犯罪組織と組んで、このビルに爆弾か何かを……」
「じゃあこの店も危ないのかしら」
「危険は、珈琲の苦味と同じです。覚悟ある者にとっては、それもまた、風味。」
「さっすが店長ー!珈琲一筋三十年」
「石鹸を使っても、手から珈琲の匂いが取れない男」
「他に取り柄がありませんから」
「おーっ店長渋い〜!」
ガヤガヤ
やっぱり、ここの雰囲気好きだな
──────
───
─
「毎日来てしまう……
矢張り一階にこんなくつろげる店があるのが悪いのではー?」
『毎日来てるって、どれだけツケ溜めてるんですか太宰さん』
「それを言わないでくれたまえAちゃん!!」
カランカラン
「えっ?」
其処にあったのは、荒れた椅子に割れた照明。
どう見ても、いつものくつろげる店では無かった。
「一体、何が……」
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作者名:まくら枕 | 作成日時:2021年7月11日 17時