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ー 第三特異点 序 ー ページ2

ーー酷い、嵐の夜だった。
船体は傾き、船首は宙を向いている。

今にも投げ出されそうな乗組員は、
ただ必死に、
己が身を守るべく掴まっている。

そんな中、彼女は、
彼らを無事に連れ出すため、
ただ向かってくる敵対者を屠る。

嵐の中、その船は無事、戦線を離脱した。


「この大渦の中逃げ延びたか・・・
英霊でもないのに、信じられんな」






この朝も、
相変わらずの体温のなか目を覚ました。

「お目覚めですか。マスター」

真横には見慣れた存在。
身体の両脇には慣れはじめた腕。

ーー彼は最近、
こちらを抱き抱えて眠るようになった。

勿論こちらが目を覚ました時、
彼はすでに覚醒しているのだけれど。

彼はこちらが目を覚ますまでは、
決してその腕を解かない。

(筋肉痛とかないんだろうか・・)

ーー筋肉痛。
英霊(サーヴァント)には、
あまりにも不釣り合いなその単語に笑った。


「あぁ。おはよう」





ーーカルデア管制室

カルデアスを前に、
ロマ二は頭を抱えていた。

「ーー72柱の魔神、ーー・・」

思い当たるものは一つしかなかったが、
しかし、
ロマ二・アーキマンは信じたくなかった。

「ーー大丈夫ですか、ロマ二さん」

そこへ、アルジュナを伴った秋が顔を出す。

「あ、あぁ、冬真君。すまない、おはよう」

気付いたロマ二は慌ててこちらへ振り返った。

ーー隈が酷い。


「・・おはようございます。
ロマ二さん、眠れなかったんですね」

指先を差し伸ばし、
ぐいぐいと彼の頰をこすった。

「あぁ、わかるかい?
いやいや、はは、わかるよね。すまない。

ーー二つ目の聖杯を無事に届けてくれたというのに、申し訳ないな」

「いえ。お気になさらず。
例の魔神柱について、ですね」

ロマ二は変わらず申し訳なさそうに頷いた。

「ーー思い当たる存在は一つしかないんだ。
古代イスラエルの王にして、
魔術世界、最大最高の召喚術師ーー・・」


深々とつかれたため息に、ロマ二の中の、
不確定事項以外のなんらかの疑念を感じた。

ー 第三特異点 2 ー→←諸注意とご案内



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設定タグ:FateGO , 二次創作 , 男主人公   
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作者名:遊藍 | 作成日時:2019年5月4日 21時

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