ー 第三特異点 2 ー ページ3
ロマ二はその表情のまま続ける。
「可能性として否定はできないことなんだ。
レフ自身なのか、
レフの背後にいるいわゆる親玉が、
�猗爿瓩鮠ご�した可能性・・・」
ーーただ、なんというのか、
「そう、あまりにも、
�狹狙眥未蟆瓩�る�甬い�する。
悪魔の概念は、
かの王よりも後に存在したもののはずなのに」
「なるほど・・・
外見として、わかりやすすぎると」
「そんなところだ。
名を騙っている、というのが、
実のところ最も高い可能性だったりする」
が、しかし、と、
ロマ二は軽く頭を振る。思考を振り払う。
「今はそれより、当面の課題だね。
優先すべきは三つ目の聖杯の回収だ」
「・・まぁ、聖杯と関わる以上、
少しずつくらいは手がかりが掴めるかも知れませんし、ね・・」
「そう言ってくれると嬉しいよ。
そんな冬真君に質問だ。
キミ、ローマでは船酔いしたかな？」
唐突だが、思い返してみよう。
ーー大丈夫だ、問題ない。
「いえ」
「そうか！良かった。
なら用意するのは、
藤丸君の酔い止めだけでよさそうだね」
ーーあ、と脳内に浮かんだ。
「・・・なるほど」
頷いたちょうどその時、
管制室に、マシュと立香が駆けてきた。
「大変です、先輩！遅刻確定です！」
「うわわ、済みません！」
「おはよう、二人とも」
「おはようございます。
マシュさん。藤丸さん」
ロマ二に続き秋も一声。
二人は一瞬きょとんと瞬き、
そしてすぐに笑った。
おはようございます、と。
・
二人が共に並んだ直後、
その足元からもふもふが飛び出してきた。
「フォーウ！」
「フォウ・・もしかして、今回もかい？」
ロマ二の問いに頷く、という高等技術でこたえ、
そして当たり前のように足元を駆けまわり、
秋の肩にストンと乗った。
「はは、いいよ。一緒にいこう。喜んで」
フォウは満足げに一声鳴く。
「さて、」
ーーと、いうわけで、
とでも言いそうな言葉切りだった。
「今回は1573年。
場所は、見渡す限りの大海原だ！」
「ですよねー」
やはり、と、予想通りの展開に笑った。
「藤丸さん、どうぞお気を確かに」
「え、なにかな、その感じ。
もしかして俺、物凄くまずいことになるの？」
立香の不安にロマ二は笑顔のままだ。
「大丈夫、大丈夫。
ちょっと、船に揺られるだけだから」
「先輩！
ドクターが相変わらずの無責任さで、
相も変わらずちゃらんぽらんです！
嫌な予感がします！」
(元気だなぁ)
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作者名：遊藍 | 作成日時：2019年5月4日 21時
