ホントの彼女 ページ21
「私は……」
裕一郎はただじっと、私の言葉を待っている。
「………好きだったよ。
ずっと好きだった。
ホントは付き合い始める前から好きだった。
建前でも、他の子への牽制でも構わないから側にいたいと思うくらい、好きだったよ……」
ようやく、口にできた。
やっと、言えた。
言ってはいけないと我慢していた。
好きだなんて言ったら、裕一郎は離れていくと思っていた。
おもわず涙が零れた。
「好きで好きで、でも裕一郎は私のこと好きじゃないと思ってたから、辛くて、我慢できなくて…それで、別れたいって言ったの……
ホントは好きで、離れたくない…
私の彼氏だって言いたい」
裕一郎は優しく頭を撫でてくれた。
今までで一番優しい顔をしていた。
「ねえA」
「……っ、何？」
しゃくり上げながら顔を上げると、裕一郎は少し困ったように笑って言った。
「今度は俺の、ホントの彼女になってくれる？」
私は何も言わずに、裕一郎の手を握った。
それから嬉しくて、また泣いた。
ずっと言いたかった好きという言葉と、ずっと欲しかった好きという言葉。
お互いに同じ言葉を交換するだけでこんな気持ちになるなんて知らなかった。
人を好きでいられることが、こんなに嬉しいことだなんて知らなかった。
出会えて、よかった。
「好きだよ」
終わり
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Maco(プロフ) - 七虹*さん» そんなふうに言っていただけてとっても嬉しいです！！頑張ります！！！！ありがとうございます！ (2017年8月16日 19時) (
レス) id: c6178b7cea (このIDを非表示/違反報告)
七虹*(プロフ) - おおおお、面白いです！！！読んでて何故かテンパってます！！梅原さん小説読んでてここまで好みの小説ありませんでした！！頑張ってください！！もうかなぁり応援してます！！ (2017年8月16日 2時) (レス) id: c56f76e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
Maco(プロフ) - ザクロ@名前を変えたさん» ご指摘ありがとうございます！すぐに訂正します…！！！ (2017年5月21日 19時) (レス) id: c6178b7cea (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ@名前を変えた(プロフ) - 脱いで切るになってますよ〜 (2017年5月21日 18時) (レス) id: 1a1566ed9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Maco | 作成日時：2017年3月28日 0時
