おはよう ページ11
翌朝。
私が起きた時、裕一郎はまだ眠っていた。
私を背面から抱きしめたままで規則正しい寝息をたてている。
思わず胸いっぱいの幸せを感じて笑ってしまう。
私は裕一郎を起こさないようにゆっくりと裕一郎の腕から抜け出してベッドを出た。
裕一郎はちっとも起きる気配を見せない。
「…裕一郎」
顔を覗き込んでそっと名前を呼んでみる。
「なに」
突然パチっと目を開けて返事をしてきた。
「ぅ、わっ!?」
思わずびっくりして飛び上がってしまった。
「そんなにびっくりしなくても笑」
裕一郎は上半身を起こしていたずらっぽく笑った。
「お、起きてたなら言ってよ…」
「だってAが俺のこと起こさないようにめちゃくちゃ気遣ってくれてるのにあっさり起きちゃったら申し訳ないじゃん」
「そこまでは気を使ってくれるのに最後までは気遣ってくれないんだね…」
思わず二人で笑いあう。
「裕一郎、おはよ」
「うん、おはよう」
改めておはようを言い合うと、裕一郎が着替えている間に私は顔を洗いに行った。
冷たい水で顔を洗いながら、ふと裕一郎の寝顔を思い出す。
「ホント、造形だけは綺麗なんだよなぁ…」
呟いてから自分もその造形に惹かれた一人だと溜息をつく。
「……いっそ、告白しようかな」
「誰に?」
「そりゃあ………って、もう着替え終わったの?」
気づけば裕一郎がいた。
「脱いで着るだけだし、そんな時間かからないよ」
「そか。じゃあ私着替えてくる」
「いや、答えてくれないの?」
「そのうちね」
適当にはぐらかして、私よりも遥かに高い位置にある裕一郎の寝癖のついた頭をぽん、と撫でた。
「今は裕一郎一筋だから心配しないで」
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Maco(プロフ) - 七虹*さん» そんなふうに言っていただけてとっても嬉しいです!!頑張ります!!!!ありがとうございます! (2017年8月16日 19時) (レス) id: c6178b7cea (このIDを非表示/違反報告)
七虹*(プロフ) - おおおお、面白いです!!!読んでて何故かテンパってます!!梅原さん小説読んでてここまで好みの小説ありませんでした!!頑張ってください!!もうかなぁり応援してます!! (2017年8月16日 2時) (レス) id: c56f76e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
Maco(プロフ) - ザクロ@名前を変えたさん» ご指摘ありがとうございます!すぐに訂正します…!!! (2017年5月21日 19時) (レス) id: c6178b7cea (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ@名前を変えた(プロフ) - 脱いで切るになってますよ〜 (2017年5月21日 18時) (レス) id: 1a1566ed9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Maco | 作成日時:2017年3月28日 0時