初夏の薫風のような人 ページ1
女の子が彼を好きになるのは当たり前で、彼を知ったほとんどの女の子が彼に恋をする。
背が高くて、余計な口数は少ない。
だけど王子様みたいに綺麗な顔と、深くて甘い低音の声。
彼はそんな、絵に描いたようなずるい人だった。
「梅原くん」
「何？」
「先週配った体育祭のアンケート、まだ提出してないの、梅原くんだけなんだ。そろそろ出して」
私が梅原くんと初めて話したのはこのときで、進級して新しいクラスになってから1ヶ月が過ぎた頃だった。
梅原くんは制服の学ランのボタンを外して腰パンの、いわゆるヤンキースタイルで、私は少し怖いと思っていた。
綺麗な顔から、女の子たちはかっこよくて王子様みたいだと言っていたし、私もかっこいいとは思う。
ただどうしても、彼が放つ独特の雰囲気に気後れしてしまうのだ。
「ああ…忘れてた。今書く。ちょっと待って」
意外にも素直に、梅原くんはアンケートのプリントを机から出すとその場で書きはじめた。
「……梅原くんは…運動も、得意なの…？」
「……苦手じゃないけど…好きでもない。走るのはそこそこ速いと思うけど」
体育祭の希望種目アンケートの陸上競技の欄をチェックしながら彼はそう言った。
「はい。ごめん」
梅原くんは私にアンケートを渡すと、教室を出て行ってしまった。
掴みどころのない、初夏の薫風のような人だと思った。
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Maco(プロフ) - 七虹*さん» そんなふうに言っていただけてとっても嬉しいです！！頑張ります！！！！ありがとうございます！ (2017年8月16日 19時) (
レス) id: c6178b7cea (このIDを非表示/違反報告)
七虹*(プロフ) - おおおお、面白いです！！！読んでて何故かテンパってます！！梅原さん小説読んでてここまで好みの小説ありませんでした！！頑張ってください！！もうかなぁり応援してます！！ (2017年8月16日 2時) (レス) id: c56f76e7f9 (このIDを非表示/違反報告)
Maco(プロフ) - ザクロ@名前を変えたさん» ご指摘ありがとうございます！すぐに訂正します…！！！ (2017年5月21日 19時) (レス) id: c6178b7cea (このIDを非表示/違反報告)
ザクロ@名前を変えた(プロフ) - 脱いで切るになってますよ〜 (2017年5月21日 18時) (レス) id: 1a1566ed9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Maco | 作成日時：2017年3月28日 0時
