屋上から落ちたらトリップしました－３－ (ページ8)

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１０８話目ページ8

Aside

別に何かを犠牲にせずに、リスクなしに

誰かを助けて守れるなんて思ってはなかった

だけど、いくら漫画で読んで最終助かるって知ってても

いざ自分がその立場になった時

感じた事もない恐怖に襲われた

その途端涙が溢れてどうにも出来なくて

混乱して自分が自分じゃなくなっていくのを感じた

そんな私を抱きしめて守るからって言う公平の体は

さっきの私と同じくらい震えていて

A「ごめん…もう大丈夫…平気だよ」

出水「本当に？」

A「うん…ありがとう来てくれて…」

出水「当たり前だろ、大事な彼女なんだから」

A「うん…((ﾆｺ」

頷いて笑って見せれば、公平もぎこちなく笑う

好きな人にこんな顔させたかったの？違う

強くなって安心させたい…さっき迅さんに言った

強くなるって、Ａ級になって守るって

A「…私…迅さんの未来を捻じ曲げるよ」

出水「！！」

A「さっき迅さんと約束したの…強なってＡ級になって、皆を守るって…」

出水「でも…」

A「怖いよ…、そんなのめちゃくちゃ怖い…前は死ぬ事なんて何とも思って無かったけど…この世界に来て、公平達に出会って、同じボーダーとして戦って、すごく楽しいの…だから…私、強くなる」

出水「もし…本当に未来通りになって…死んだらどうするんだよっ」

A「死なない」

出水「分かんねぇだろ！！」

A「公平を残して死ぬわけない！！」

出水「っ！」

まだ目に残る涙を拭って公平を見つめる

もう無力な私じゃない、何も出来ない私じゃない

A「私は絶対死なない。まだまだやりたい事あるのに、死んでなんかやるもんか((ﾆｯ」

出水「っ…あー本当…俺より男前かよ…」

A「もう、覚悟決めたから」

出水「あぁーもぉっ！危ないと思ったら緊急脱出させるからな。約束しろ、絶対攫われたり殺られたりすんなよ」

A「うん、絶対」

公平と小指を絡ませ指切りをする

恐怖を味わって、意味分かんないくらい泣いて

私の中で何かが吹っ切れた

やらなければいけない、守らなければいけない

大切な人を失わないために

A「私、強くなるよ」

出水「俺が支えてやる」

そう言った公平の目はもう迷いはなくて

お互いの拳をトンっと合わせた

絶対未来を捻じ曲げてやるんだ

――――――

何書きたいか伝わってますかね…？(泣)