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Aside
夢を見た
真っ暗な世界に私1人立って
どこに目を向けても真っ暗で
一人になる事も真っ暗な世界も慣れているはずなのに
どうしようもなく ” 寂しい ”と思ってしまう
そんな事私が思っていいわけないけど
1人真っ暗な道を歩き出す
出口もない、ずっと何処までも真っ暗な道
A「…」
無言でただひたすら歩く
でも疲れてそのまま倒れるように寝そべる
A「もう…死んだっていいや…」
そう呟いて目を閉じようとした時
ギュッ…
A「誰…？」
私の右手を握る感覚
見えないのに暖かくて優しくて
安心する
誰かに優しく握られたことが無かった
ただ笑顔で優しくされても裏切られるって分かってたから手放して
傷つかないようにしてきた
けどこの温もりだけは…
A「離したくないっ…」
するとグッと体を起こされる感覚
一気に光に包まれて目を閉じる
A「ん…」
目を覚ますと白い天井とチラッと見える赤髪
そちらに視線を動かすと
独歩「ｽｰ…ｽｰ…」
椅子に座って壁にもたれ掛かり寝ている
ネガティブ根暗ボーイの観音坂くん
A「何で居るんだ…？…ぁ…」
居ることへの疑問はあるが
右手に伝わる温もりに気づく
目線を下にずらすと
しっかり繋がれた私の右手と観音坂くんの左手
A「ぁ…」
一気に顔に熱が集まる
恥ずかしさとかじゃなくて
強く握られた手を見て
なんで助けたの…なんて疑問が頭を埋め尽くす
私は観音坂くんの近くに寄ると
A「観音坂くん…なんで…助けたの…。」
そう小さく吐いた
気づかれないようにもう一度布団に潜ろうとした時
ギュッ…
右手を強く引かれる
A「きゃっ…」
バランスを崩し、観音坂くんに凭れるような体制になる
驚いていると耳元で
独歩「なんでって…死んでいい人なんか居ない…」
そう観音坂くんが言った言葉が素直に入ってくる
振り返ると観音坂くんのエメラルドグリーンの瞳と目が合う
A「っ…」
私は返事をするよりも
観音坂くんのその瞳から目が離せなかった
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作者名：Yu-grena | 作成日時：2019年3月23日 1時
