【MHA】アンタがいなきゃ死ねたのに。【エリ】 (ページ3)

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そんなことすら烏滸がましいページ3

夏弥side

まずいまずいまずい。

あの人に"バラされる"

いつもいつもそうだ。あの人の気に食わないことがあれば使用人を壊して、掃除がいると汚物扱いして。狂っている、人間じゃない。だから早く、この地獄から解放されたかった。

「ヒーローが、すぐそこに来ています、、」

治崎「それで？」

「ヒーローの進み具合を見に行ったのですがもう既にそばまで来ていて、」

「えと、だから、、！やめて、ごめんなさい、お願いだから"バラさないで"！！仕方がなかったの！！！」

治崎「そうか。」

空中を引っ張られるようにしながら汗が頬をつたる。あの人が見えたと同時に個性を解除し、大したスピードも出ないまま元へと駆け寄る。怒っている。あの人は冷酷な表情で私を見下しながら、必死の言い訳を零している私に向かって淡々と手を伸ばした。

ぐしゃり。

べしゃり。

鉄のような、カビのような匂いがした廊下を背に、クロノも、大事に抱えられているエリも歪んだ顔をしながら目を逸らした。

治崎「この戦いが終われば戻してやる。」

いいよなエリ。お前はいつも大事に扱われて。

ああ、ヒーローを視察してくるなんて嘘つかなきゃ良かった。

ひねり潰され、2つにちぎれた体で木目を数えながら、そんなことを考える。あの人はきっと、明日ここでエリの体を赤く染めることは出来ないのだろう。つまり、私は今日で息絶える。来世は普通の家庭に産まれますように