検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:41,034 hit

苦手度49% ページ17

貴『もう、もう…やめてよっ…』


未だに、溶ける黒い”彼”と鳴り止まない暴言。


耳を塞いだって、全部聞こえてしまう。


貴『何で?私…何かした…?』


嫌になって、暗い闇にそう叫んでみる。

私の言葉に、暴言が止まった。


それと同時に、溶けた彼が1つの影に形になった。


次第に、影は形を変えていった。


貴『あぁ…ぁ…』


その姿に、絶望が見えた。


闇に溶けそうな程黒い髪。

鮮血のように、真っ赤な瞳。

痛々しい、赤黒い火傷。


全部に、見覚えがあった。


貴『…わた、し…?』


前の夢と同じ様に幼い日の私が、立っていた。


ただ、前と違ったのは


「悪者癖に、何で…?」


睨む様な目と、か弱い声で私を責めたのだ。


「貴方は、悪者でしょう?なのに、ヒーローと一緒にいるの?」

貴『あ、それ…は』


矢継ぎ早に投げかけられる質問に答えれない口が嫌になる。


「貴方が、悪者だって知ったらきっとあの人達は貴方を傷つけちゃうよ?」

貴『そんなこと…』


否定、出来なかった。

そんな私を、昔の私は無機質に眺めると


「ほら、どうせそんなもんなんだよ」


何か言いたいのにコトバが、言葉が、出てこない。


「どれだけ、力になりたいって思ったって結局心の中ではあの人達が憎いんだよ」


そんな事ないのに、口も耳も目も全部動かない私。


ゆっくりと、昔の私が近づいてくる。


手を伸ばせば振られる距離に来た昔の私。


「所詮、貴方は悪者。それ以上にはなれないんだよ」



貴『ごめん、なさっ…い』


そう昔の私が、嘲笑った。

もう、そんな光景を見たくなくてそっと目をつむった。


早く覚めて欲しい…


(今度こそ、望んでいた光が消えた様な気がした)

苦手度50%→←苦手度48%



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
設定タグ:あんさんぶるスターズ , 流星隊 , 夜月詩音   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - カイコクとマキノだいすきです! (2019年7月14日 19時) (レス) id: 9f70754803 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - 餅つき狐さん» ありがとうございます!更新頑張りたいと思います!ナカノヒトゲノム好きなんですか?よければ、好きなキャラとか教えてください^ ^ (2016年8月5日 14時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
餅つき狐(プロフ) - とっても面白いです!頑張ってください!余談ですが私もナカノヒトゲノム好きですよ! (2016年8月5日 10時) (レス) id: 86e054f3a4 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - ろんさん» ミバ見て来てくれたんですか?ありがとうございます!中々、ミバは来れませんがこっちでは更新頑張りますので宜しくお願いします^_^ (2016年7月31日 0時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - クランさん» ありがとうございます!更新頑張ります!^_^ (2016年7月31日 0時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夜月詩音 | 作成日時:2016年6月20日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。