お姫様、ごにん ページ7
＊
スポドリの片付けをし終わって、体育館に戻るとまだ姫花は部員達と話していた。
「お、A！」
クロ先輩が俯向く私に気づいて、ちょいちょいと手招きをしてくる。
チラリと横を見ると、姫花が睨んでいた。
『なんですか？』
「今日のスポドリも美味かったぞ！ありがとな」
そばに来た瞬間、わしゃわしゃとその大きな手で撫でられた。
え、気づいていたの。
今日も私が作ってたって。
「ちょっ…鉄郎先輩⁈今日のスポドリは私が作ったんですよ？」
「そうか？その割には、いつもと全く変わらない味だったけどな〜」
「そ、それは…Aの作ってる姿をずっと見てたからで…」
「へぇ…そう？まぁ、良いじゃねぇか」
クロ先輩がヒラヒラと手を振って、夜久先輩達が集まる所へと行ってしまった。
撫でられた頭があったかい。
嬉しい、そんな感情が胸をいっぱいにする。
「A…今日も美味しかった…ありがとう」
研磨先輩までもが、ゲーム機に目通したままただけど気づいてくれていた。
『あ、はい…いえ、美味しく出来て良かったです！』
その瞬間、背中に悪寒が走った。
恐る恐る見れば、姫花は無感情な顔で私を見ていた。
「A〜、ちょっとタオルの場所わかんなくなっちゃって…」
「教えてくれる？」
姫花、お得意の可愛い笑顔は目が笑ってなかった。
あー、またか。
ぼんやりと、そんなことを思いながら姫花の後をついて行った。
＊＊
「なーんで、引き立て役のあんたが褒められてるのかなぁ？」
ガチャン、と冷たい金属音と共に体育館倉庫の扉が閉まる。
薄暗く、狭い空間の中、姫花が不気味に笑った。
『ご、ごめんなさ…うぐっ、』
「あのねぇ…あんた、本当無能だわ。わかる？あんたは私を目立たせるために生きてんの」
謝ろうとした瞬間、お腹に重い蹴りが入る。
息が出来ず、詰まる感覚が襲う。
酸素を沢山吸おうと、口を開けるが
「大体、スポドリの味くらい私が怪しまれないよう少し位調節しなさいよ」
頭をつかまれ、地面に打ち付けられる。
冷たい床の感触が、酷く痛い。
「出来そこのないのあんたを拾ってやって、ここまで置いてきてやったんだからさ〜」
数秒して、掴まれた頭が解放される。
自由になった頭をあげると、姫花は私を見下ろしていた。
「ちゃんと役目を果たしてから潰れろよ」
『はは、大丈夫。役目は果たすよ』
あんたがちゃんと潰れるその瞬間まで…私が見届けてあげるまでね。
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水無月のぞみ - あのクズ女さっさといなくなればいいのに！夢主ちゃんが可哀想！ (12月17日 5時) (
レス) id: ba8b16685c (このIDを非表示/違反報告)
るん - 夜月さんの作品すごく好きです！悲劇シリーズ終わっちゃうんですか...？ (2018年9月26日 23時) (レス) id: 5da0fa7c3e (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - りーさん» どっちも読んでくれてるんですか！お姫様、原型もないほどに潰したいですね！この後も、シンデレラ頑張りますよ^ ^ありがとうございます！ (2017年3月23日 18時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
りー - 雑草系もキャラメルちゃんも読ませて頂きました！どれもこれも凄い面白いです。シンデレラさん､傲慢な姫をぐっちゃぐちゃに潰してください。頼みます｡更新待ってますからね！頑張ってシンデレラ！ビビディバビ〇ディブー！ (2017年3月23日 15時) (レス) id: deafa4833d (このIDを非表示/違反報告)
夜月詩音(プロフ) - まさりん さん» ありがとうございます！キャラメルから見ていくれてたんですか？嬉しいです^ ^ (2017年1月25日 18時) (レス) id: 9103400878 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜月詩音 | 作成日時：2016年12月18日 16時
