第24話「彼は真の苦労性」 ページ26
中「んで、何でAは嫌がらせを受けてたんだ?」
中也は話を替えてそんな事を聞いてきた。
どうしたものか。
私が首領の秘書だと言ってしまっていいのだろうか?
というか、太宰が私の事を何処まで話してあるのすら分からない。
でも、後々バレる事になるんだったら…
貴方「…実は、私1ヶ月前に入ったばかりの新人で、最下級構成員だったんだ。」
中「まさか、A…噂の……」
私がそう告げれば、思い当たる事でもあるのか、中也はハッとした。
噂って事は、太宰の言ってたやつだな。
それ以外にも噂があるかもしれないけど。
貴方「その噂がどの噂か知らないけど…その噂を流したのが太宰なら、私が知ってる噂と一致するかもね。」
中「…お前、首領の秘書だったんだな。」
私が確かめるように、中也にそう言えば、予想通りの答えが返ってきた。
貴方「うん、まあね。それで、ずっと前から首領を慕っていた女性に目障りだ、新人の癖に生意気だ、みたいな?」
中「どんなことされてたんだ?」
中也は心配そうな顔で私に問い掛ける。
貴方「全然大した事をされてた訳じゃないけど…まとめてた資料盗まれたり、破かれたり?あとは、靴の中に画鋲とか、かな?」
中「おい待て何が大した事されてねえだ!?」
私が安心させるように、さらっとそう言えば、中也は声を大にして吠えた。
貴方「え?だって資料盗まれたり、破かれたりしても私にかかれば1時間以内でまた同じの作れるし。靴の中にある画鋲は靴を持ち上げた時点で気付いてたから…その画鋲はちなみにありがたく使わせてもらってる。」
画鋲はありがたかったなあ〜…
丁度、欲しかったしね。
中「お前、神経図太いのな。流石、首領の秘書だけある。」
貴方「それ貶してんの?褒めてんの?どっち?」
中也は呆れたようにそう言った。
中「どっちもだ。」
貴方「何それ。…まあ、ぶっちゃけるとね。」
私は中也に苦笑を向ける。
貴方「ぶっちゃけると、太宰様の方が嫌がらせが上手いし、苛つくので…あの女性の嫌がらせなんて気にならないんだよ。」
私がそう伝えれば中也は同情のこもった瞳でこちらを見詰めた。
中「ほんと、なんつーか、すまねえ……」
貴方「良いよ。中也が謝る事じゃないしね。」
重々しいオーラを纏って項垂れるものだから、ついつい頭を撫でてしまう。
あ、髪の毛、猫みたいだ。
中「…一応、俺の相棒が…すまねえ……」
貴方「気にしすぎだから。」
中也は暫く項垂れていた。
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舞 - 首領のルビ、ボスのはずなんですが...なんだか違和感があるんですよね「しゅ、首領」みたいなセリフの時内容はとても面白くてワクワクしながら読んでいます! (2018年7月2日 22時) (レス) id: 338b13862d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - 原作しか見てないのでアニメではどうなってるのかわからないのですが、首領の読み方はそのままでなくボスだと思います!更新楽しみにしてます頑張ってください^^*(同コメありましたらすみません) (2017年9月30日 0時) (レス) id: cfd67c96bc (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_桜(プロフ) - 森さん(^q^)うぇへへ……なのですが、設定ページで三人称の意味合いが違うと……ヾ(・д・`;)heとかsheとかジャ (2017年8月18日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@現実逃避(プロフ) - きなこさん» 初コメントありがとうございます。この作品で森さん好きが増えたのであればこの上ない喜びですね。企画も賛成して下さり…感謝です。暖かい言葉嬉しかったです。これからも、不甲斐ない作者ではありますが、よろしくお願いしますね*_ _)ペコリ (2017年6月22日 23時) (レス) id: a2afccea58 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@現実逃避(プロフ) - 晋陽さん» 森さんの色気は上手く描写出来ていますかね…?それならばとても嬉しいのですが…コメントありがとうございます。これからも、よろしくお願いしますね*_ _)ペコリ (2017年6月22日 23時) (レス) id: a2afccea58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルリ@現実逃避 | 作成日時:2017年2月1日 21時