首領秘書生活始めます。【文豪ストレイドッグス】

第23話「お互い苦労が絶えない」 ページ25

身体がとても重い。

まるで筋肉痛のようだと思った。

貴方「っう…」

見知らぬ天井。

また私は気絶したらしい。

この世界に来て、気絶する事が多くなった。

私はむくりとベッドから起き上がる。

そして、初めて私を看病してくれていたであろう人物と目が合う。



??「よぉ、起きたかよ。ったく太宰の奴……ああ、すまねえ自己紹介がまだだったな。俺の名前は……




─────中原中也だ。」


そこには、帽子を取った、チビッ子マフィアこと、中原中也がソファで足を組んで座っていた。

そして、私がいるベッドの側の椅子にどかっと座る。

貴方「中原様、ですね。看病して下さったのは貴方ですか？」

私がそう尋ねると、中也は舌打ちを一つかました。

中「まあな…ったく太宰がいきなり来たと思ったら何だ、見たこともねえ女を看病しろだ？」

貴方「…ご迷惑おかけしました。」

太宰…やめてあげなよね、中也が胃潰瘍になったらどうしてくれる。

私が申し訳なさそうに謝ると、中也は呆れた顔で

中「別にお前を責めてる訳じゃねえよ。気にすんな。」

優しいぃぃ！！？

イケメンか！？イケメンだな！？

太宰とは大違いだな！！(失礼)

貴方「いえ、本当に申し訳ありません。私がああなるまで放っておいたのがそもそもの元凶なので…」

私が深々と礼をすれば中也は溜め息をついた。

中「はぁ、太宰の奴にお前の爪の垢を煎じて飲ませてえよ…で、お前、名前は？」

貴方「あっ、申し遅れました。私は、島崎Aと申します。」

苦労してるんですね、中原様。

私がそう苦笑しつつ言えば、中也はしっかりと頷いた。

中「本当にな。島崎、太宰に何かされたら言えよ。」

貴方「ありがとうございます、中原様。お互い、苦労が絶えませんね…」

中「島崎、お前もアイツに苦労してんだな。」

中也はしみじみと呟く。

貴方「ええ、それなりに…」

私も、遠い目をしながらそう答えれば、中也は私の頭をぽんぽんと優しく叩く。

中「まあ、そのなんだ…お疲れ様。」

やめろその優しい微笑み。

首領からお前に乗り換えるぞ？←

まあ、それはないけど。

中「なあ、島崎。俺の前では敬語と様づけやめろ。」

貴方「いえそれは…」

突然そんな事を言われ、私はやんわりと断りを入れた。

すると、ニヤリと笑って

中「命令だ。良いな？」

と言った。

私はそれにくすりと笑って返事をする。

貴方「分かったよ、中也。」

すると、中也も笑って答える。

中「よろしくな、A」

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