第16話「探り合う」 ページ18
太「君は何と言うのだい?」
太宰治は私の方へと歩み寄ってきた。
貴方「…何のご用でょうか?」
私がそう聞けば、太宰はにこやかに、それはそれは晴れやかに笑って
太「これはこれは!!流石、首領の秘書と言うだけある!!物腰も丁寧で、臨機応変に対応出来る!!おまけに美人だ!!どうか私と心中していただけないだろうか?」
と口走った。
貴方「お褒めに頂いたのはとても嬉しい所存ですが、心中は致しません。用がないのであれば「あるとも!!首領に報告したい事があるのでね!!此処で待っていても良いだろうか?」…」
私の台詞を遮り、
何故、馬鹿かって?
今に分かる。
私は、にこりと笑顔を貼り付け、太宰に告げた。
貴方「暫く、そのソファでお掛けになってお待ち下さい。お飲み物を用意してきますので。」
私は、立ち上がり給湯室へと向かう。
何にしようかと迷ったが、紅茶にした。
貴方「…ダージリン切れてる…。ついでにセイロンも…」
アッサムしかない。
私は、アッサムを濃い目に淹れて、アプリコットのジャムスプーン一杯をティーカップの横に置いた。
これでロシアンティーの完成だ。
味見をしたが、なかなか良かったので、同じく給湯室にあったクッキーを盛り付けてワゴンに乗せる。
給湯室から帰ると、太宰はソファに座っていた。
太「おかえり、Aちゃん!!」
…やっぱり、名前調べてたか。
貴方「太宰様、僭越ながら申し上げますが勝手に資料を漁るのはどうかと思います。気になる事があるのであれば、
太「!!…嘘?何がかな?」
…しらばっくれても無駄なのに。
貴方「太宰様は首領に報告する事があるのでしたね?首領が居ない今、勝手に部屋に居座るのは部下としてあるまじき行為では?重要な報告であれば、今首領が出席されている会議に行けば、幹部である貴方はそれも報告出来るはず。それなのに、此処に居座るのは…狙いは、私の事ですね?」
私が、一気にそう言えば太宰は目を丸くする。
太「ふふっ、頭がキレるというのは本当らしいね。お見それしたよ。うん、当たりだ。私が、此処に居座るのは君に興味があるからだ。」
…やっぱり、か。
うわあ、太宰に目つけられるとか…
貴方「何故私に興味が?」
私がそう尋ねると、太宰は笑ってこう答えた。
太「君、自分がなんて噂されているか知らないのかい?」
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舞 - 首領のルビ、ボスのはずなんですが...なんだか違和感があるんですよね「しゅ、首領」みたいなセリフの時内容はとても面白くてワクワクしながら読んでいます! (2018年7月2日 22時) (レス) id: 338b13862d (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - 原作しか見てないのでアニメではどうなってるのかわからないのですが、首領の読み方はそのままでなくボスだと思います!更新楽しみにしてます頑張ってください^^*(同コメありましたらすみません) (2017年9月30日 0時) (レス) id: cfd67c96bc (このIDを非表示/違反報告)
浅葱_桜(プロフ) - 森さん(^q^)うぇへへ……なのですが、設定ページで三人称の意味合いが違うと……ヾ(・д・`;)heとかsheとかジャ (2017年8月18日 22時) (レス) id: 638a6231c6 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@現実逃避(プロフ) - きなこさん» 初コメントありがとうございます。この作品で森さん好きが増えたのであればこの上ない喜びですね。企画も賛成して下さり…感謝です。暖かい言葉嬉しかったです。これからも、不甲斐ない作者ではありますが、よろしくお願いしますね*_ _)ペコリ (2017年6月22日 23時) (レス) id: a2afccea58 (このIDを非表示/違反報告)
ルリ@現実逃避(プロフ) - 晋陽さん» 森さんの色気は上手く描写出来ていますかね…?それならばとても嬉しいのですが…コメントありがとうございます。これからも、よろしくお願いしますね*_ _)ペコリ (2017年6月22日 23時) (レス) id: a2afccea58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルリ@現実逃避 | 作成日時:2017年2月1日 21時