首領秘書生活始めます。【文豪ストレイドッグス】

第6話「夢と本音」 ページ8

貴方「あー、首領と結婚したいぃぃ！！」

大声で馬鹿みたいに叶わない事を叫ぶ。

雪菜「は？社長だろ？」

それに反応するのは親友の雪菜。

私が首領ダイスキーに対し、雪菜は社長ダイスキーだ。

貴方「社長も良いけど、やっぱ首領が良いんだよね〜。あー首領の秘書になりたぃぃぃぃ！！」

雪菜「社長の秘書か……」









貴方「んうっ……あ、れ…？」

見知らない天井が目に入る。

此処って何処なんだろう……

凄く、ふかふかなベッドだなあ……

あれ？私、あの後、雪菜とコンビニにのトイレから出て、そしたら……

森「気が付いたかい？」

貴方「っつ！？」

そうだ、私、黒服の奴らに……

この、文ストの世界に来たんだ。

もう、雪菜にも会えない。

貴方「ここ、は…？」

私が尋ねると首領は一瞬、目を開き、口元を片手で覆って綺麗に笑った。

森「此処は私の部屋だよ。また気絶するから驚いたよ。」

貴方「！？し、首領の部屋、ですか！？」

森「うん。だって、いきなり気絶するからね、私の部屋なら医療器具もある事だし、運ばせて貰ったよ。」

ひぃぃぃ！？

何で、また気絶したんだああ！！

というか、運ばせて貰った？

……まさかだけど

私は、震え声で首領に問い掛ける。

貴方「そ、そのまさかですが、わ私を、此処まで運んだのは…？」

すると、首領はにっこりと笑って、聞きたくない言葉を口にした。

森「勿論、私だけど。どうしたのだね？」

のぉぉぉぉぉ！？

何してんだ私！？ポートマフィアのボスに何させてんだぁぁぁ！？

私は首領と目を合わせるのが恥ずかしくなり、ばさりと勢い良くシーツを被り布団に潜る。

森「おやおや？どうしたのだね？」

首領はそんな私を見ているのか、クスクスと笑っている。

あああ、恥ずかし過ぎて死にたい。

貴方「重い物を運ばせてしまい本当に申し訳ありません…」

私はシーツを被ったままだが、起き上がり謝罪した。

目を合わせるのが礼儀だが、今は恥ずかしく出来そうにない。

森「いや、構わないよ。それに、あれくらいどうって事ないからね。」

シーツの隙間から首領を見れば、ふふっ、と笑っていた。

美人か。←

あ、こういう時に雪菜が居れば、社長の方が美人だから！！とか言うんだろうなぁ…

私は、夢で見た懐かしい日を思い出し、温かい気持ちになった。

と同時に、つきりと胸が痛む。

貴方「会いたいなぁ…」

ふいに、ぽつりと口から本音が零れた。

完全に無意識の呟きだった。

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