黎明に縋る僕達は。 (ページ7)

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fire.7 ページ7

今日は先日のことを報告しに政府に足を運んだ。

私達を見る視線が刺さる。分かりやすく陰口を言ったり、目が合ったらわざとらしく逸らすところはガキ臭くて鼻で笑ってやった。

「…あれが神に見放された子か、政府もあれを審神者に起用するとは…落ちるところまで落ちたな。」

「その隣の初期刀も遡行軍を焼き切ったとな…どちらが遡行軍か分かったもんじゃない。」

「見ろあの醜い顔を。あれでは貰い手もろくにおらんだろうなぁ」

「お前が貰ってやったらどうだ。」

「キズモノだった場合、返品は可能かな？？」

共に来ていた陸奥守が鞘に手をかけるのを見かけ静かに制した。

「主…わしゃあ、我慢ならんぜよ。」

「政府の方々も日々の労働で疲れていらっしゃるんだろう。そのせいで赤ちゃん返りしても仕方がない。欲しいおもちゃが貰えなくて大層ご立腹のようだ。」

「はははっ！言うのう！」

2人で大口開けて笑っていると陰口を言っていたヤツらはこっちに背を向け居心地いいが悪そうにしていた。

やはり、吉行といると自然と堂々としていられる。

だが、ここからが真の勝負だ。

時の政府の最奥。ここで私と吉行の今後が決まる。

重く暗い鉄の扉を開くと、私達を取り囲むのはモニターばかりでその場には誰1人いなかった。

お偉い人は腰抜けばかりだな。

「政府指定要注意人物、審神者A。政府からの命令に背いたと報告を受けている。説明せよ。」

「報告通りでございます。私はこの陸奥守吉行を刀解しない。彼と共に遡行軍を殲滅いたす所存です。」

「…では陸奥守吉行。お前はその力をどう使う。」

「主を、これから増えていく仲間を、守るために使うぜよ。」

「承知した。政府としても君は特例だ。その力を有効活用すれば戦いが終わる日も近くなるだろう。だからといって政府内には反対する者も多い。特別扱いはしない。」

「感謝致します。」

「以上だ。くれぐれも気をつけて使うように。」

そういって部屋はたちまち真っ暗になり扉の外へと追い出された。

「…思ったよりあっさりと許可されたな」

「裏がありそうな気もするがやけど、一件落着って事でええじゃろ。」

「そうだな、さて帰ることになるが、その前に甘味処にでも寄るか？？」

「えいがか！？おんしゃあも、なんか企んじゅうわけやないがやろうなぁ…？」

「ふふ、それはどうだろうな」

そうして2人で寄り道をして本丸へ帰った。