fire.16 ページ16
それから数ヶ月の時が経った。
本丸全体での戦力を上げるため遠征を行ったり、手合わせを積極的に取り組んでいた。
審神者は主に刀装の作成。失敗しつつも戦場で男士たちを守るために全力を注いだ。
変化を起こしたのは、何もこの2人だけではない。
あの日の出陣で偵察にて大太刀を発見した五虎退、誰よりも早く中傷を負ってしまった薬研、この2振りなりに責任を感じていた。
あの時僕が敵の短刀を少しでも多く倒せていたら、もっと冷静に偵察を行えていたら対策出来て、誰も傷付かずにいたかもしれない…
あの時俺が中傷にさえならなけりゃ戦況は変わったかもしれない、陸奥守の旦那が深手を追うこともなかったかもしれない…
陸奥守さんに頼られるくらい、強くなりたい…！
陸奥守の旦那が、旦那らしく戦うために…皆を守れるくらいに強く…！
「やぁーっ！！！」
「ずえりゃぁぁ！！！」
そんな2人の手合わせは誰よりも鬼気迫るものがあった。
「精が出るのぉー！！2人とも成長が早いにゃあ…わしもうかうかしてられんがよ！」
「陸奥守さん…！お怪我は、もう大丈夫なんですか…？」
「まだちくと痛むがやけど、こんくらい、なんちゃあないぜよ！」
そう言う陸奥守の姿は、まだ包帯で巻かれている箇所が何個もあった。
それでも笑う陸奥守を見て、2人は心配していることがバレないように柔く笑った。
無理に笑う事は、初期刀なりの強がりだと、前の主のように笑い世界を掴むことを諦めないことが
「ここに来たんは2人を呼びに来たんじゃ。第一部隊、招集の令が主から出ちゅう。」
その一言でさらに空気が引き締まる。
さぁ、リベンジだ。
行く先々で第一部隊の面々と合流し、審神者の部屋へと向かった。
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作者名：宵ノ月 | 作成日時：2023年9月28日 6時
