私に貴方達のような翼は無い。【文豪ストレイドッグス×ハイキュー！！】

日「二十話目！！」 ページ29

香織side



却説、今の私にする事は………。

香「影山君だね？凄く辛いと思うんだけど、訊きたい事があるんだ。大丈夫？」

影「大丈夫です………。」

見た所、酷い発熱。
其に声も掠れている。

取り敢えず冷やすか………。

香「此処に来る前とかって体調悪かったりした？」

影「い……え。」

香「無理して声出さなくて善いよ。」

作業をしながら確実に証拠を掴んでいく。

そして彼から判った事。

此は、独自の毒物だ。
自然界や、此までの人間が作ってきた物じゃあない。

個人が、個人で学び、個人で作った物だ。

だからこそ、厄介だと云える。

個人でしか此の毒の解毒方法を知らない。

最悪死ぬかもしれないんだ。

でも、そんな事絶対に私がさせない。

守る対象は、此処に来た時点で此の合宿場に居る全員だ。

必ず、救ってみせる。

独「おい江國！何の騒ぎだ！」

香「選手は集められましたか！？」

独「嗚呼！だが体調不良を訴える者が何人か居た！今は体育館で休ませている！」

体育館でか………。
成る程。

香「何人居ます？」

独「七人だ。」

………一階の角部屋は空き部屋だった筈。

確認した時は、荷物も家具も何も無かった。
その上掃除も確りとされていたし、広さも十分にある。

此なら、与謝野女医が来るまでは凌げる。

だとしても他の患者が多くならばければだが。

香「動ける大人全員で一階の一番奥の角部屋、其処に患者を移動させてください。」

独「だが人数が足りないだろう！こうしている間にも患者が出てきたら………」

香「私も行きます、敦君も今回ばかりは仕方無いから異能を使ってよし。
　 国木田さんも出来ますよね？」

国木田さんは単純な力がある。
多少辛かろうと男子高校生二人くらいは運べるだろう。

独「………判った、だがお前は来なくて善い。」

香「………了解です、では部屋で先に待っています。」

影山君に歩ける？と声を掛ける。

此の部屋は角部屋の近くだし、何とかもってくれる事を祈ろう。

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