【文豪ストレイドッグス】炭酸水の泡みたいに【中原中也】

ん ページ4

まだそんなに大規模な組織じゃないけど、異能持ちが多いんだね………。
へぇ、だから疾めに潰しておくんだ。
でも異能持ちが多いんだったら此方もなるべく強力な異能持ちを出さないと………。



『必ず帰ってくるから心配すんな。』



………中也……と太宰さんを出すのは決定事項かな。
他には芥川君とかも必要かも。

「疲れたなぁ。」

「なら茶でも出してやろう。」

後ろから艶やかな声がした。
振り返って見えたのは、燃えるように紅い髪を、簪で一つに纏めた女性だった。

「尾崎幹部！？どうして此処に。」

「久し振りにAの顔が見たくての。」

尾崎幹部は口元を隠して上品に笑ってみせた。
本当に綺麗な人、私も尾崎幹部みたいに綺麗だったらよかったのかな………。

「Aは愛いの、私の妹に欲しいくらじゃ。」

「尾崎幹部が姉だったらさぞかし倖せでしょうね。」

「矢張り愛い！中也には勿体ないのう………。」

違いますよ尾崎幹部、逆なんです。
私に中也は釣り合うどころか、混ざりあっちゃ駄目だったんです。

「そんな事ないですよ、尾崎幹部何か飲みますか？」

「佳い佳い、私が淹れてやる。」

「すみません………。」

「謝ることなどなかろう、日本茶で佳いか？」

「はい、有り難うございます。」

尾崎幹部が姉だったら、中也は私を恋愛対象じゃなくて、妹とかと思ってくれたのかな。
きっと、そうだろうな。
きっと、その方が楽だっただろうな。

私も、中也も。

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