157日目 ハジマル ページ32
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すごい…『外』だ!
エマとノーマンに話されてから3か月。
今、生きて『外』にいる。
出荷もなくて、つらい思いもしなくていい。
12歳(レイ)にも明日が来る。
見殺しにすることも、されることも、しなくていい。
自由なんだ!
でも、これでゴールじゃない。
相変わらず『外』に待つのは鬼の社会。
人間(私達)は食料。
『外』で生きるっていうのは、敵だらけの中で常に『生存』を勝ち取っていかなきゃならないってことだ。
家も、ご飯もない。生きていける社会さえも。
これからはそういうのも全て、全部自分で手に入れていかなきゃならないんだ。
自由って、なんて美しく、過酷なんだろう。
それでも…どんなに厳しくても…
私は逃げる、みんなと生きる。
フィル達も必ず、必ず連れに戻る!
「見ろ!」
ドンが指をさして、嬉しそうに言った。
さよなら、GFハウス。
さよなら、大好きだった私達の家__
今日が私達の第一歩。
「最初の朝だ」
初めて見る日の出。
まだ出てきたばかりだというのに、目の前に広がる景色を十分に照らしていた。
2046年 1月15日
グレイス=フィールド農園より16名脱走
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作者名:水月 | 作成日時:2019年7月13日 23時