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な、なんだこれ。
仮面の人曰く、「闇の鏡」……らしい。
なんだそれ。厨二病なのかな。
ずびっと鼻をすすって、顔の浮び上がる鏡に近づく。
「……さあ闇の鏡よ!この者をあるべき場所へ導きたまえ!」
……シーン。
そりゃそうだ、なんで鏡に話かけてるの、この人。
「……??」
『……??』
ごほんっ。仮面の人は咳払いをする。
「さ、さあ闇の鏡よ……」
「ない。」
「へ?」
「この者のあるべき場所はこの世界のどこにも無い」
『わっあっ……!!!!!???か、鏡がしゃべったあああああああ!?!?』
「……ありえない。ああ、もう、こんなことは学園長になってから初めてですよ……。」
『えっねえ聞いてください鏡がしゃべっ、しゃべって……!!』
「はあ〜……。仕方がありません。ところであなた、どこの国から来たんですか?」
話を聞け!!
大袈裟にため息をつく仮面。失礼な。
なんかもう、驚きの連続で疲れてきた……。
『えと、にほん……日本です』
「ふむ?聞いたことがありませんね……あ、ちょうど地図を持っていたんでした。どこら辺か分かります?」
どこからか地図を取り出して、ぱっと広げられた。
え?
なにこれ。知らない地図だ。世界地図じゃない。
『え、え、……ないです……。ていうか、鏡に「ない」って言われてたんじゃ……』
「そうですか。ううん……。」
考え始める仮面の人の横で、不安がドンドン大きくなっていった。
私、これからどうなるんだろう。
家に、帰れない……?
まだみたいアニメ、あったのに。
お母さんだって、きっと心配するだろうな……。
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作者名:ゆざわ | 作成日時:2024年1月11日 22時