9.鏡の中の涙 ページ10
バルコニーに1人になった私
そこには小さな縁が緑の鏡が置いてあった。
その鏡を覗き込めば移るのは私…ではなく、孤児院が映り込んでいた
外が見えるって、こういうのね…凄いなぁ
人外のなす技に驚嘆するが、女はそれ以上に鏡に映り込む世界に釘付けになっていた
「…みんな、泣いてる…ごめんね、ごめん…」
子供たちは女のことが好きだった。
女にとっても、その孤児院は自分が育った孤児院故にお世話になったからか少なくはあるが、仕送りしたり、自作の絵本をつくったりしている
「一緒に、居たいよっ…、」
自分を想って泣いてくれる子供たちを見ると心が苦しくなり、涙が滲む。
孤児院の先生達も、泣き出した子供たちをみてあやそうと頑張っているが、一向に泣き止まない。
私が、居られたら。
私がそばにいれば、こんなことにはなっていなかった。
私が、疲れたからと言って休まなければ。子供たちのそばにいれば。
後悔が後悔を生み出し、心が苦しくなる
苦しくなると涙が出てくる。
ここに連れてこられても涙は出なかったのに、子供たちが泣いているのを見て涙が出てくる。
悲しくて、でも諦めている自分がいる。
それがどうしようもなく、悔しくて
「…おい、」
音もなくそこに現れたのはゾンビだった。
手には皿。
そこには沢山のお菓子が乗っているが俯いている女にはわからなかった。
「…！、えっと、志麻さん」
「こっち向けや」
「ごめんなさい、今、ひどい顔してるんです、」
「いいから」
「…！」
手を引かれ無理矢理に顔を見られる
「はっ、ひどい顔。」
「ぇ、」
抱きしめられる。
後頭部を優しく押さえつけ、
そのまま撫でる
「…お前は悪くない。
お前は偉い方だ。誰も責めない。誰かの代わりになる。
お前は、きっと、誰かを殺す勇気も自分を生かす勇気もない。
だから、お前はここにいると壊れる。」
「…志麻、さ」
「人間は感情を押さえつけちゃ、生きられない。
いつか感情はどこかで爆発する。
泣くという行為はその感情を一時的に発散しているだけ。
泣くのは必要なことだ」
「…」
「泣ける時に泣いておけ。それが一番だから」
ゾンビはひたすらに優しい言葉をかけるだけだった。
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雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください！！ (2019年7月25日 19時) (
レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
さく - 更新止まってます！戻ってきてください！楽しみに待ってます！ (2019年7月7日 8時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
ちうんと(プロフ) - 羽来々さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございます！！コメントありがとうございます、面白いと言って貰えてとても嬉しいです。不定期更新ではありますが頑張ります！ (2019年1月13日 21時) (レス) id: 78a6b0197e (このIDを非表示/違反報告)
羽来々 - 最近見つけたんですがとても面白くて続きめっちゃ気になります！更新大変だと思いますが頑張ってください！！ (2019年1月13日 0時) (レス) id: 0077a53052 (このIDを非表示/違反報告)
ちうんと(プロフ) - うさぎ@たまに冬雪さん» おぉ！おめでとうございます（？）面白いと言って頂けて嬉しいです！！これからも皆様の期待に応えられるように、不定期更新ではありますが、頑張っていきますね！ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 78a6b0197e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちうんと | 作成日時：2018年12月15日 13時
