35.僵尸とキス ページ39
「…」
夜中に、1人の僵尸が歩いていた
夜と言っても、この幽霊船に、あの世とこの世の境目の海と呼ばれるこの空間に時間とか、夜という概念はほぼ存在しないが、
それでも、人外は休息を必要とし、そのために眠る。
その時間帯を、夜と呼んでいる。
(A…、Aに、会いたい)
その日はどうやら女の匂いを辿って船内をうろついていたようで。
(あの肉食べてから、、あかん。あかんよ、
おれ、俺、、…Aの血欲しくなってる…)
自分が今まで食べてきた血肉の中で一番極上で、それでいて可愛くて。
どうしようもなく愛おしい。
どうしようもなく食べたい。
でも、殺したくない。
花嫁だから…だけど、それだけじゃない。
過ごして期間は少ないけれど、その中でAが自分にくれた言葉はどれも自分を満たしてくれた。
「…みつ、けた…」
「…センラさん？」
その子は与えられた部屋で、もう眠たいのか目を擦って。
「…なァ、A。…ごめん。食べたい」
「…え、きゃぁ、…！」
その小さな体を抱き締めればすっぽりと収まり、逃げ出そうと足掻くも、僵尸には痛くも痒くもない
女をベットに押し倒し、両足の間に足を入れ込む。
絶対に逃がさないとでも言う瞳はまっすぐと女を捉え、
「すき。…すき。…ねぇ、すきなんですよ。」
「ひぇ…あ、耳元でしゃ、べらないで…！」
その甘い匂いのする首元に顔を近づければちゅっと、口付けをして。
その首元に、歯をたてた
「っ…！い、ぁ、…いた、…ぃ…！」
食いちぎるのは痛いだろうからと、辛うじて糸程度の理性が働き、その首筋に自分の長い爪を使って傷を作りそこから溢れ出す血を
まるで、あまい、甘い飴玉を舐めるかのように舐める。
「ひぃ、…ぁ、…センラ、さ。…やめ、て！」
漏れ出す声が可愛い。
涙が滲んで、その粒がどうしようもなく愛しく見えて、美味しく見えたから、舌で舐めとる。
「…センラ、さん。…こ、っち、向いて。」
「…？」
か細い声で紡がれた言葉に疑問を持ちながら顔を向ければ
ちゅ。
可愛いリップ音と、唇の暑い熱が湧き上がり、離れる。
今、僕は、愛しいAに、キスをされた。
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雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください！！ (2019年7月25日 19時) (
レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
さく - 更新止まってます！戻ってきてください！楽しみに待ってます！ (2019年7月7日 8時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
ちうんと(プロフ) - 羽来々さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございます！！コメントありがとうございます、面白いと言って貰えてとても嬉しいです。不定期更新ではありますが頑張ります！ (2019年1月13日 21時) (レス) id: 78a6b0197e (このIDを非表示/違反報告)
羽来々 - 最近見つけたんですがとても面白くて続きめっちゃ気になります！更新大変だと思いますが頑張ってください！！ (2019年1月13日 0時) (レス) id: 0077a53052 (このIDを非表示/違反報告)
ちうんと(プロフ) - うさぎ@たまに冬雪さん» おぉ！おめでとうございます（？）面白いと言って頂けて嬉しいです！！これからも皆様の期待に応えられるように、不定期更新ではありますが、頑張っていきますね！ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 78a6b0197e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちうんと | 作成日時：2018年12月15日 13時
