33.いただきます ページ37
「何、喰って欲しいの？」
「…さぁ？」
聞かれた問いに俺は疑問に思う。
何故そんなことを聞くのか。
ただの人間であればこいつのことなんて死ぬほどどうでもいいが、花嫁であることを踏まえると話すということは、つまり、こいつの本心に触れるかもしれないということで。
「…喰わない理由。
特にないけど、…まだ、その時じゃないからかな」
真面目に答える気もないし、返答に意味は無い。
なぜなら俺は目の前の女を喰う気はサラサラないのだから。
「…その時…」
その言葉を聞いて、Aは皿にある液状の何かを啜った。
「…それ、おいしいの？」
「？美味しいですよ。」
人外の舌に人間の料理が美味しく感じないと知ったのはゾンビになってすぐ。
そもそも、俺は死んでゾンビになってすぐ、人肉を口にしたため、その美味しさが忘れられないから、それ以外をなかなか食べようとは思わない。
そんな俺が女の食べているものに興味を持っている？
そんなことじゃない。
俺はただ、目の前の女と喋りたくて、話しかけたのだった。
「…スープって言って、暖かいんです。」
「へェ…」
よく分からないか、女の顔を見ればそれが美味しいということはわかった。
(こんなことなら、人間の舌欲しかったなァ)
なんて、全部はこの女の感じることを俺が知りたいから。
「そういえば。」
飯を食べ終えた食器をそっと置く。
「…んー？」
女が話しかけたと思えば、何やら、女は手と手を重ねて、軽く目を閉じ
「ご馳走様でした。」
「…？」
「人外にはこういう習慣があるんですか？」
「へ？」
何を言っているのかよくわからなかった。
ただでさえゾンビは脳が死んでいるため知能があまり高くない(それでも俺はそこらの人外より頭いいけど)
「いただきますと、ご馳走様でした。
これ、ご飯を食べる前と後の挨拶ってやつです」
「へぇー、やったことねぇなぁ。だってもう、何百年か知らんけど、人さらって、喰って。
ただの自己満だからな。」
「…そうなんですか。…では、志麻さん。」
「ん？なに？」
「…これから、いただきますと、ご馳走様でした…してくれませんか？」
「…は？」
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雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください！！ (2019年7月25日 19時) (
レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
さく - 更新止まってます！戻ってきてください！楽しみに待ってます！ (2019年7月7日 8時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
ちうんと(プロフ) - 羽来々さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございます！！コメントありがとうございます、面白いと言って貰えてとても嬉しいです。不定期更新ではありますが頑張ります！ (2019年1月13日 21時) (レス) id: 78a6b0197e (このIDを非表示/違反報告)
羽来々 - 最近見つけたんですがとても面白くて続きめっちゃ気になります！更新大変だと思いますが頑張ってください！！ (2019年1月13日 0時) (レス) id: 0077a53052 (このIDを非表示/違反報告)
ちうんと(プロフ) - うさぎ@たまに冬雪さん» おぉ！おめでとうございます（？）面白いと言って頂けて嬉しいです！！これからも皆様の期待に応えられるように、不定期更新ではありますが、頑張っていきますね！ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 78a6b0197e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちうんと | 作成日時：2018年12月15日 13時
