19.血の香り ページ20
いたい
痛い！
イタイ！！
広い幽霊船を走る
ハロウィンの魔法が溶けた船内はボロく、いつ壊れても何も疑問がわかない
「…はぁっ、…はァ…」
傷口が痛い。あつい。
「人間だ！」
「ハロウィンだから迷い込んだんだ！！」
「全部、食べよう、タベヨウ、おなかがすいたよォ！」
狼男に、造形を保っていないゾンビ。
欲張りゴーストは腹を空かせて叫んで追いかける
「こわい、…こわぃ…！！」
女は逃げる。
捕まってしまえばきっと死んでしまう。
嫌だ。
痛いのは嫌。
怖いのは嫌。
なんとも子供じみた理由だが、それでも女は必死に足を動かす
「いたい、！」
ナイフがどこからが飛んでくる。
急所をわざと外しているであろうナイフはその体を痛めつけてはわざと外したり恐怖を煽る。
「…、はぁ、…たすけて、…いや…」
助けを求めても、その血の甘い匂いにつられて追いかける人外は増えるばかり。
「きゃ、！」
船の底から伸びた手は女の足を捉えた。
「つゥか、…マェタァ」
それから起こる惨劇に覚悟がなく、力なく倒れる
女は気を失った。
「お前ら、何しとんねん」
甘い血の香りに誘われ来たのは横たわる人間とその人間の足を掴んでいる俺が魂を吸い取った、罪人
「…その足に触れんなやァ！！」
そのゴーストの顔面を思い切り蹴り飛ばし、頭が吹っ飛ぶ。
幽霊の頭をぶっ飛ばすなどほぼ不可能だが、そのゾンビは自分が死んでいるゆえにその幽霊に干渉できたのだった
横たわる女をまるで、ガラス細工を相手にするかのように大事に抱える。
血の匂いがまるで、酒のように周り、頭を酔わせる。
「…ほんま害悪やわこの匂い。」
ゾンビはその傷口に舌を這わせ血を舐めとる。
「めっちゃ甘い匂いしたと思ったら、…
ねぇ、志麻くん何してはるんですか」
いつの間にか集まった黄色の僵尸
「…襲われてたから、助けてやったんだわ」
「ほぇ、そうですか。
なら早くその子こちらに渡してくださいな」
その切れ長の目を細くしてゾンビを睨む僵尸
その僵尸を鼻で笑い
「…なぁ、コイツただの家畜じゃないんとちゃいます？…センラさん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 481人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください！！ (2019年7月25日 19時) (
レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
さく - 更新止まってます！戻ってきてください！楽しみに待ってます！ (2019年7月7日 8時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
ちうんと(プロフ) - 羽来々さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございます！！コメントありがとうございます、面白いと言って貰えてとても嬉しいです。不定期更新ではありますが頑張ります！ (2019年1月13日 21時) (レス) id: 78a6b0197e (このIDを非表示/違反報告)
羽来々 - 最近見つけたんですがとても面白くて続きめっちゃ気になります！更新大変だと思いますが頑張ってください！！ (2019年1月13日 0時) (レス) id: 0077a53052 (このIDを非表示/違反報告)
ちうんと(プロフ) - うさぎ@たまに冬雪さん» おぉ！おめでとうございます（？）面白いと言って頂けて嬉しいです！！これからも皆様の期待に応えられるように、不定期更新ではありますが、頑張っていきますね！ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 78a6b0197e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちうんと | 作成日時：2018年12月15日 13時
