15.孤児院の中の自分 ページ16
「…！」
手で唇を覆う女。
顔を赤くして、少し涙目で僵尸を見据える。
「ごぉんのくそたぬきィ…！！
お前、マジで空気読まれへんな、はよご主人様のとこ帰れ…！！」
「きぅ！！きうきう！！」
女を守るように僵尸と女の間に立つ
「や、やまだぬきちゃん…」
「…このクソたぬきィ！！」
バチバチと視線が火花を挙げる。
「んふ、はは、…あははは！！」
たぬきと僵尸が退治している場面にその場に謎の笑い声が響く。
「…！これはこれは、このクソたぬきの飼い主様じゃないですかァ！！」
「いやぁー、面白いな。
心配だったからやまだぬき送ったがこんなことになってるとはなぁ」
くくく、っとまだ肩で笑う。
「さぁて、Aは外の世界を見えたのか？
いいものじゃなかっただろ？」
「、うらたさん、…」
「なぁーんか、しぃんみり、ゆっくり、外の世界を見て、踏ん切りつかせてやろうと思ったのに、
屍共が余計なことしたみたいだから、あんまり時間なかったんだろ」
「げぇ、屍って、俺とまーしぃのことですか」
「お前ら以外にだれがいんの」
「はァ…俺はそこのクソたぬきに気分害されたんで会場戻りますねェ？」
「おーぅそうしてくれ。…よくやったな、やまだぬき」
「はぁ、やっぱ嫌い！！」
そう言ってバルコニーから姿を消した僵尸
「…何が写ってた？」
少し間を開けて、肩に乗ったたぬきを人撫でして視線を合わせずに、聞く
「…子供たちが泣いてました。
それを先生があやしていました」
「…ふーん、子供、お前保育士かなんか？」
「いえ、孤児院の子供たちで、私もそこの孤児院の出なので、…恩返しとして、ボランティアしてるんです。
絵本を書いたり、みんなにお勉強教えたり、一緒に遊んだり。
みんな大切な子達です。」
「ふーん、…親、いないんだ？」
「まぁ、先生が親みたいなものです。
覚えてないくらい昔の話なので、もう考えないようにしてます。」
「…親…俺らは多分そういうのない。
なんか、自然現象なんかね。
俺はなんか生まれて、なんか育って、そのまま過ごす。
それが一番幸せ。だったけど、今は今のが幸せかな」
そう言ってまたたぬきを一撫でする
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 481人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雨上がりのcrew(プロフ) - すごい。。。この作品私得←これからも更新頑張ってください！！ (2019年7月25日 19時) (
レス) id: 11f12a305b (このIDを非表示/違反報告)
さく - 更新止まってます！戻ってきてください！楽しみに待ってます！ (2019年7月7日 8時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
ちうんと(プロフ) - 羽来々さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございます！！コメントありがとうございます、面白いと言って貰えてとても嬉しいです。不定期更新ではありますが頑張ります！ (2019年1月13日 21時) (レス) id: 78a6b0197e (このIDを非表示/違反報告)
羽来々 - 最近見つけたんですがとても面白くて続きめっちゃ気になります！更新大変だと思いますが頑張ってください！！ (2019年1月13日 0時) (レス) id: 0077a53052 (このIDを非表示/違反報告)
ちうんと(プロフ) - うさぎ@たまに冬雪さん» おぉ！おめでとうございます（？）面白いと言って頂けて嬉しいです！！これからも皆様の期待に応えられるように、不定期更新ではありますが、頑張っていきますね！ (2019年1月1日 23時) (レス) id: 78a6b0197e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちうんと | 作成日時：2018年12月15日 13時
