蝶の如く【ぬらりひょんの孫】 (ページ4)

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蝶が三匹ページ4

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少女は辛そうに顔を歪めて怪我を負った男の元へ駆け寄り、怪我に手をかざした。
するとどうだろうか。少女の掌から光が溢れ、男の怪我を治していった。
男は怪我が治ると再び妖と戦い始めた。

頑張るなぁ……なんて思いながら眺めていると安心している少女の背後から妖が一匹近づいて襲おうとしているのが見えた。
ニタリと薄気味悪く笑う妖に誰も気づいている様子はなく、このまま放っておけば少女が危ない目に遭うことは一目瞭然だった。

「はぁ……仕方ない、かな」

傍観に徹するはずだったのになぁ、なんて愚痴をこぼしながら渋々重い腰を上げ、たんっと軽く屋根を蹴る。
少女の目の前に降り立つと同時に腰を引き寄せ、少女の背後に居た妖を刀で斬る。

「お嬢さん、お怪我は？」

「な、ないです」

少女の顔を覗き込み聞くと驚きながらも怪我は無いと応えた。

「そう、それなら良かった。危ないから牛車の中に居た方がいい」

幼い子供に言い聞かせるように頭を撫でながら牛車の中へ入るように促す。
少女は素直に促されるがままに牛車の中へと入っていった。

「君達は陰陽師かな？妖一匹見逃すようならもっと力をつけたほうがいい。後少し遅ければお嬢さんがどうなっていたか分からないよ」

私を警戒しながらも妖と戦う男たちにそう言うと男達も分かっているのかグッと顔を歪ませていた。

うん、力不足だとちゃんと理解しているのならこれからもっと伸びるだろうね。
何から目線だって言われそうだけど私の方が実力は上だから仕方ないよね。

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